最初は互換機だった

日本を代表するパソコン「PC-9801」シリーズ 後期モデルと、アドベンチャーゲームの老舗ソフトハウス「マイクロキャビン」


 この間PC-8801mk2srの記事を読んでから、8801と9801の歴史を振り返ってみたところ、意外な事実が分かった。
 PC-9801系の最初のノートPCは、NECからではなくEPSONから出た互換機だったのだそうだ。PC-286NEX-STDである。


やる夫と学ぶホビーパソコンの歴史 第27話


 しかし、それならば何故、この機種は当時の私の選択肢に入らなかったのだろうと思ったが、上の記事を読んで理由が分かった。プログラムこそ互換性があるものの、この仕様ではゲームができない。そして、何より価格が高い。
 とはいえ、過去のエントリではノート型のPC-9801をゲーム用途で十全に使いこなしていたかのように書いたが、実際には携帯型ゲーム機に比べると使用頻度は遥かに低かった。理由は一つで、サウンド機能が制限されていたからである。これは初期型だけの問題ではなく、9821ノートとしては最終盤に出たPC-9821lsなどでも状況は変わらず、サウンドボードは内蔵されていなかった。そのため、CD-DA音源であればCDから直接音楽が流れるので問題ないが、FM音源MIDI音源の場合は専用のボードを何らかの形で増設する必要があった。それがほとんどの場合はPCカードで増設するしかなく、私の環境では相性問題が頻発した。初代のPC-9801nに至っては、増設ボード自体が存在しないので、ビープ音以外一切鳴らせなかったくらいである。

 一言で言えば「当時のノート型はゲーム向きでなかった」のである。当時のユーザーにとってみれば「何を今更」だろうが……。