クラナド、メインストーリー終了。
あとは日常パートの取りこぼしだけ。
風子ストーリー。
藤林姉妹と智代ストーリーが普通のギャルゲーなのとは対照的に、いかにもKeyの物語という感じだ。
誤解を恐れずいうなら、Oneの主人公の物語+Kanonのあゆの物語。
ある意味で安心して読める。ぶっちゃけると公子さんに会った時点で残りは半分予想がついた。
そして…渚ストーリー。
これは、Afterストーリーを外しては語れないだろう。
光の玉があゆの人形に相当するものかな…と見当はつけていたんだけど。
いや、これは賛否あると思う。自分の中でも愛憎半ばする評価だな…。
私は、ギャルゲーとはある種のお約束に則った御伽噺だと思うんだけど、このAfterストーリーはそのお約束を逆手に取って、確信犯的にそれを破っている。
「お姫様は末永く幸せに暮らしましたとさ」を許さず、敢えてその先を描く。
しかも、Airはバッドエンド派の私にとっては、汐編は紛れもないバッドエンドだ。
スクールデイズみたいに主人公が外道なら因果応報と言えるけど、主人公もその周りの人間もいい人だらけなだけに、運命の過酷さが際立つ。
家族の絆を描きたいというのはよくわかるし、伏線の張り方も素晴らしいんだけど…うーん…。
なんというか、見ていて辛い。
Airを見ているせいか、途中で渚がどうなるかもなんとなく読めてしまったし…。
最後、トゥルーストーリーがあることでかなり救われた気分だ…。YUNOと同じく、そこに至るまでの悲劇の数々は、最後にハッピーエンドを掴むための試練だったのだと言われれば、納得できるかもしれない。
余談だけど、ご都合主義と言われようが、Airにもこういうルートが欲しかった…。
総評
音楽は素晴らしい。さすがkeyというレベル。
ただ、OPが流れるのがかなり後半なので(いや、もうあれをOPといっていいのかどうかわからないが)、最初に聞くボーカル曲はEDということになるので「鳥の詩」ほどのカリスマには欠けるかな。
ただ、それは鳥の詩が異常というだけなので、今回のボーカル曲が悪いわけでは決してない。
あと、声は大御所級が多いだけに文句のつけようがないレベル。きっこさんと皆口さんと能登さんだけでごちそうさまでした。でも一番よかったのは置鮎さんかも!
グラフィックは…いたるさんの絵がOKな人はOK…と言おうと思ったけど、一つだけ。
グラフィックと年齢が合ってない気がする…。
いや、早苗さんが若すぎるとかそういうのを抜きにしても、普通早苗さんと智代の絵を並べたら早苗さんの方が年下に見えると思うんだ…公子さんも同様。
え? 早苗さんは永遠の17歳だからいいんだって?
そりゃ中の人だー!
ストーリーは、今までのKeyのゲームが好きだった人なら充分に満足できるレベル。
Afterを含めた渚シナリオについては、好みは分かれるかもしれない。
私にとっては、ことみシナリオをクリアするためだけ…あるいは、あの「世界は美しい」から始まる手紙を読むためだけでも、やった価値はあった。それぐらい素晴らしかった。
最後になるが、スタッフには感服する。
レビューを書くにあたってネットのいろいろなサイトのレビューを見てみたのだけれど、高評価のものから言を尽くして嘲っているものまでいろいろあった。
Keyゲーというだけで注目され、ファンもアンチも山ほど沸く。そのプレッシャーの中でここまでのレベルのものを作り上げられたのはさすがというしかない。
しかも、ToHeart2のようにわかりやすい方向へ持っていくのではなく、あえて今までの自分たちの路線を継承した作品を。
フルコンプ後にタイトルに現れる少女とかも、わざと何通りかの解釈ができるようにしてあるんじゃないかという気がする(私は「幼少の渚」だと思っていたのだけど、違う意見の人が結構いてびっくりした)。
智代ルートの感想が中途半端だが、これは智代アフターを終えてから感想を述べたいと思う。