私はシャープのＤＲ−７７というＭＤプレイヤーを使っている。過去形ではなく、今も現役だ。
なんとなくソリッドオーディオが使いづらくてそうしているだけなのだが、先日久しぶりに、家電量販店のポータブルオーディオ売り場に行って驚いた。一時期あれだけあったＭＤプレイヤーが１台しか置いていない。ソニーの１機種だけ。
しかもよくよく調べてみると、たまたまその店に１機種しかなかったのではなく、もうＭＤプレイヤーというもの自体、この１機種しか生産していないと聞いて２度びっくり。
自分にとってＭＤというのは、録音可能な初めてのデジタルオーディオメディア、つまり映像メディアで言えばＤＶＤに相当するものだっただけに、これほど早く、しかも完膚なきまでにソリッドオーディオに置き換わってしまうとは思わなかったのだ。
ベータとＶＨＳのように、ほぼ同じ企画が並立して片方が消えるのならわかるが、ＭＤにはほぼ同じ機能を持った別の規格は存在しない。にもかかわらず、これほどまで早く世代交代が進んでしまうとは…。
で、先日そのプレイヤーが壊れた。リードエラーが多発してメディアを読み込まなくなったのだ。店の人いわく、これはレンズの不具合らしい。というわけで修理に出したのだが…。
前回の修理の時にはすぐに見積もりの連絡が来たのだが、今回は待てど暮らせど連絡がこない。この間、シグマリオンの周辺機器の見積もり依頼を出した時と同じ流れだ。
まさか…生産だけでなく、修理のラインもなくなってしまったのだろうか。だとしたらなんだか寂しい話だ。
2009年現在、iPodやウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤーの普及により、MD市場は衰退の一途を辿っている。特にポータブルMDプレーヤーに関しては、2007年以降各メーカーが次々と生産から撤退し、最後まで残っていたソニー製の録音・再生対応Hi-MDウォークマン、MZ-RH1も、一見現行機種のように見えるが実際はすでに生産が中止されており、絶滅してしまった。
ウィキペディアにはこう書かれているが、どうなんだろう。公式ＨＰの表示を見る限り、ＭＺ−ＲＨ１に生産中止の文字は見えないが…。お願いだからソニーの最後のＭＤプレイヤーには頑張ってほしい。細々とでいいから。需要はあると思うんだけどなあ…。
