まぶらほ

 さて、それはそれとして、私は実家を出る時ほとんどの本を処分してしまったのだけど、ちょっとだけ処分しそびれた本がある。実家に戻って手持ち無沙汰になった時、それらの本を再読するのが楽しい。

 で、今回実家で読んでいたのがこれ。

 もし、私が人に「一番スタンダードなライトノベルを挙げてみて」と言われたら、5番目までに必ず出てくる作品だ。
 実家に置いてきたことからもわかるように、特にお勧めだとか、感動するとか、凄いどんでん返しがあるとか、印象に残るとか、テーマが素晴らしいとか、そういう作品ではない。
 ただ、読んでると安心できる作品なのだ。

 理由を考えてみたが、多分次のような理由だと思う。


・長い(短編だけで17冊ある)。だから先を楽しみにして読める。読み返していても飽きづらい。


・登場人物の性格が途中で豹変したり、コミカルな短編とシリアスな長編で性格が違ったりしない(まぶらほの場合、短編の方で物語が進行するという変わった構成になっている)。


・イラストが見てて綺麗(「はいてない」でその筋では有名な駒都えーじさん)。


・文体が安定している上にすっきりしてて読みやすく、くどくない。


・お約束な話が多く、設定がわかりやすいので、読んでて気疲れしない。


 ざっと挙げるとこんな感じか。
 ちなみに中身はよくある学園もののハーレム話で主人公は優柔不断という、絵に描いたようなライトノベルステロタイプだけど、ヒロインの夕菜の焼きもちがすごくて、私はむしろ「うる星やつら」を連想した。
 で、思わず懐かしさも手伝って、読んでいなかった最新の巻数巻を衝動買いしてしまった。