オリコンデイリー1、2フィニッシュ



 嬉しいんだけど複雑というか…いや、買ったんだけど。
 昨日このCDを買った帰りの電車内で、友達同士でけいおん!! について熱く語っている人がいたのに驚いた。そういう意味ではけいおん!! がメジャーになった証だし、喜ぶべきことなんだろうけど。

 上位をアニソンばかりが占めているということは、必ずしもけいおん!! の爆発的人気だけが原因じゃなくて、いまさらだけどJ−POPが凋落してることの証なんだろう。
 

幕張メッセの邦楽フェス「GO!FES」の客入りが凄いことになってるとネットで話題に


 このフェスティバルに参加してるアーティストの名前もほとんどわからないもんな…。
 これってたぶん、単純にアーティストの実力が落ちたとかそういう話じゃない。かなり根の深い、構造的な問題だ。

 まず、今はCDを買わないで曲を配信で買っている人が多いい気がする。私はiPod使ってないけど、使ってる人はCDを買って転送するというより曲そのものをダウンロードしてきてるんじゃないだろうか。アニメファンとかゲームファンには「パッケージ」に価値を見出す人がいるから、(私を含め)そういう人間はパッケージを買う。
 ダウンロードで曲を買う人は、店に行かない。店に行かないということは、帰りにCDショップやレンタルショップにいって新譜の棚でよさそうな曲を眺める機会もないし「あ、このアルバム出てたんだ。ついでに買おう」ということもなく、事前に目星をつけていた曲「だけ」をピンポイントで買うことになる。
 また、新しい曲に触れる機会がない。アニソンが売れるのは「アニメーションの一部」としてであって、昔は同様に「ドラマとタイアップした主題歌」(チャゲアスとか尾崎とかはそれで買った)があった。ドラマを見た時に「この曲いいな、買おう」という動機ができたのだけど、今はそれがない。
 ドラマの視聴率そのものが低迷していて数字が取れず、テレビ番組はバラエティ番組ばかり。吉本芸人のバラエティ番組を見て主題歌を買おうと考える人はまずいないだろう。

 つまり、インターネットの隆盛の影響による複合要因でJ−POPがランクを落とし、その余波でアニソンがランクの上位に浮上してきたわけだ。今もランク上位にある曲は、曲がいいからというより、グッズとしての意味合いが強いジャニーズ系とかAKB48のCDとかばかりだ。

 そしてこれは、もしかしたらCDだけの話ではないかもしれない。

 iPadが発売されて、アメリカでは電子書籍の配信が始まる。「大きな本棚がiPad一つに収まるようになる!」なんて売り文句をあちこちで見かける。
 でも、本当にそうだろうか? CDショップやレンタルショップがなくなっていったように、本屋が消えてなくなったとき、果たして書籍というものは本当に生き残っていけるのだろうか?

 本は電子書籍になって便利になった…しかし新刊の棚に並ぶ本は一冊もない、なんてことにならないといいのだけど。