多彩な導入のために


 アリアンロッドRPGはメインクラスが4種類、しかもその4種類をバラバラに取るように推奨されている。
 ということは、ウォーリア用の導入、メイジ用の導入、アコライト用の導入、シーフ用の導入の4種類を用意すれば、たとえコンベンションのような状況であっても十分ということになる。
 逆にプレイヤーは前項のとおり、メインクラスをロールプレイの基軸とするため「俺はメイジ/ダンサーだけどメイジというよりダンサーがメインなんで魔法使い用の導入には乗らないよ」というのは許されない、ということになる。もちろんキャンペーンでプレイヤーとマスターの気心が知れてくればサブクラスを指定した導入(というより特定のキャラクターのための導入)を用意してもいいだろうが、少なくとも最初はメインクラス用の導入が用意されたのならそれを拒絶するのは褒められたことではない。


 FEARのTRPGは、シナリオの導入部、オープニングに力点をおいたゲームが多い。確か鈴吹社長だったと記憶しているが、かつてとあるイベントで「GMに『君たちは全員仲間で酒場にいます』と言われるとがっかりする」と言っていた。
 オープニングは自分のキャラクターを他のプレイヤーに印象付ける重要なシーンである。オープニングで他のPCの個性を掴み、それを拾ったロールプレイができるのが「上手いプレイヤー」だろう。そのロールプレイを引き出すためにPCに合ったオープニングシーンを用意するのは大切なことであり……そのために、アリアンロッドRPGは多彩で個性的なサブクラスを持ちながら、それをあえてロールプレイのメインに据えず、4種類しかないメインクラスを生かしてロールプレイするよう推奨しているのである。


(*1)特に上級ルールブックに記載された「フェイズプロセッションルール」を導入した場合には。


(*2)NAGOYAと呼ばれているのは、この話題が出た頃、名古屋にあるとされていた架空のサークルが発祥とされていたからである。しかし結局そのサークルの実在は確認できなかったため、実際の名古屋と区別するためにNAGOYAと呼ばれるようになった。


(*3)例えば、アリアンロッドサガシリーズやブレイクシリーズのリプレイのレベル(16〜18程度)だと、成長点40点でHPが2〜3倍、MPが2〜3倍、1シナリオに1回ダイス振り足し16〜18個、1シナリオに1回ダメージ加算ダイス16〜18個というとんでもないボーナスが入る。なお、成長点40というのはレベル17→18に必要な成長点の4分の1以下である。