ついに大団円

 今月はリプレイが豊作だった。昨日紹介した蛮族英雄に続き今日はこちら。


アリアンロッド・リプレイ・レジェンド(4)  貧乏姉妹の伝説 (富士見ドラゴン・ブック)












 4冊に渡って続いたコロローナ姉妹の冒険もいよいよ最後。「蛮族英雄」がインパクトで売る作品だとすれば、こちらは一冊一冊丁寧に話を重ねていって完結まで導いた作品だ。途中、一度も中だるみしなかったのはさすがとしか言いようがない。


 父親の遺した風雲児の秘宝の正体は……まぁ、お約束としてこれ以外はありえないだろう(笑)。かつて戦った対戦相手たちが次々と現れて力を貸してくれるという展開は、これぞ王道、まさに最終回。しかしまさかギロチンスケボーが役立つ日が来るとは(笑)。


 いい意味で予想外だったのが、ジュライの再登場。アリアンロッドリプレイ・ルージュをお読みの方はお分かりと思うが、ジュライはキャラの存在自体がある意味一発ネタだっただけに、まさか使われる日が来るとは思わなかった。でも、実は結構人気キャラとも聞くし、順当なのかもしれない。
 そして、まさかまさかのゼダン皇帝本人登場。しかも超カッコイイなムカツク! マジムカツク!


 あとフレアさんは(というか妹尾さんはというべきか)空気を読みすぎだと思います(笑)(最後のシーンね)。


 最後にさらりと今までの伏線を拾っていくあたりの手腕は絶妙。Fリーグ設立の敬意には素直に感心した。っていうかサントスいい奴じゃん!
 世界滅亡の危機とか謎の秘密結社とか邪神復活の陰謀とかがなくても、ちゃんと地に足のついた物語が作れるということが証明されているリプレイなので、そういった大仰な仕掛けが苦手だという方は是非読んでいただきたい。


 ちなみに、物語の面白さに加えて戦闘バランスも結構タイトなレベルでバランスが取れている。ストーリー上ではフレア&セレネ姉妹のロールプレイのコンビネーションが冴えるが、戦闘においてはドル&セレネのバッステコンボが凶悪過ぎる。しかも、いつか来るとは思っていたけどついに今回セレネがメイジにクラスチェンジして魔術判定のダイスが1個増え、非常に回避しづらくなっている。
 あと、お約束で《カッティングプラン》(*1)。いつかこれ持ちの敵が出ると思ったけど……さすがに最後の敵だけあって強力だった。
 個人的にはワイルドイヤーがまた出てきたのは嬉しかったんだけど……ライオ&ネルとの対戦が一度もないまま終わったのがちと残念だったかも。コロシアム最強ペアの実力、是非見たかった。


 さて、これでレジェンドシリーズは終了だけど、新シリーズが始まるということなのでほっと胸をなでおろしている。エリンディルとはコレでおさらばというのではちょっと寂しすぎるから。


(*1)このスキルを組み合わせた攻撃にはプロテクションがきかない。