斜陽

 哀れな子羊Pのブログが話題になっていた。


http://straysheep54.blog135.fc2.com/


 いかにも哀れな子羊Pらしい、ちょっと挑発的な口調だと思うけれど、基本的な事実に間違いはないと思う。
 アイドルマスター2の発表まで、ニコマス界隈は一時の勢いを失って停滞状態にあった。ニコマス愛する人たちの多くが、アイマス2に停滞を打破するきっかけとなることを望んでいた。


 しかし、現実には今のような有様だ。


 私が他のあらゆる改悪点よりも何よりも、コミュニティを否定しかねないコメントを発したことこそが問題だと前に言ったのはそのためだ。P可能キャラの削減も、その後の公式のフォローが適切ならば傷を最小限に抑えられた可能性はあった。そのチャンスのことごとくが失われてしまった。

 彼の意見は、ある意味で過激ではある。しかし──私は対価を支払っているバンナムに対してはあれこれと言っているし、その権利もあると信じているが、ニコマスに対しては事情が異なる。私はニコマスについては単なる消費者であって、コンテンツを作る側にない。しかも製作者に対価を支払うこともなく一方的に利益だけを享受している。だから哀れな子羊Pの意見に異論をさしはさむ資格はないし、また異論を述べる人に反駁する資格もない。 

 ただ一つ、2を肯定する人も拒絶する人も、2をきっかけにコミュニティが分断されてしまったこと、そして9.18をきっかけに多くのPたちがニコマスを去っていってしまったことは否定しようがないはずだ。

 私自身は、最後までニコマスに付き合うつもりでいる。それがどのような結末を迎える道であったとしても。それが私を今まで楽しませてくれた人たちへの、私ができる唯一の意思表示だからだ。
 それに、もし今まさに船が沈み行こうとしているとしても──私は、結構今のニコマスを楽しんでいる。2に感謝する気は微塵もないが、ニコマスには感謝してもしきれないくらいだ。



「それでも僕はこの東京が大好きですがね」
「どうしてですか?」
「この地球でたった一つ、滅びへの道を『楽しんで』歩んでいる都市だからですよ」
          ──東京BABYLONより


東京BABYLON―A save for Tokyo city story (1) (ウィングス文庫)