セントシュタインの錬金術師

 先日一行だけ書いたけど、実は今さらながらドラクエ9をやり直している(というか続きをプレイ中)。エルシオン学院で事件を解決したところで止まっていたのが、ようやく最後のダンジョンまで到達した。


ドラゴンクエストIX 星空の守り人


 再開したのは風邪をひいたからなのだが(体調が悪いのに、寝すぎたり退屈で時間を潰したい時などは、いつでも好きな時に中断できる携帯ゲームがちょうどいい)、意外な部分に熱中してしまい、なかなか進むことができなくなってしまった。

 それは、錬金術

 今まではフィールドの素材なども放置していたのだが、あるきっかけで錬金術にずっぽりハマることになった。
 私は例によって例のごとく、RPGをプレイするにあたって色々な縛りを自分に課している。が、その縛りとは関係のないところで、大きな疑問が生じた。いや、これは本当に、他にプレイしていた人の感想も是非聞いてみたいのだが。
 ストーリーも後半になってくると、前衛用の装備、特に胴を守る鎧はほとんどが金属製のごつい鎧だったりする。ところが下半身、脚と脚を守る防具にはいわゆるグリーヴ、つまり鎧下とか膝当てとか、金属製の靴の類が全然ない。クリア前に到達できる最後の店、いやそれどころか敵がドロップする鎧を含めても、いわゆる金属製の胴鎧に対応する下半身の鎧は主人公専用のものしか見当たらない。
 仕方なく、試しに胴鎧と最後の店で買ったスカートを合わせてみたところ、見栄えがとんでもないことになった。センスがないってレベルではない。

 ようやく私は、自分の宿屋に招かれる他人のキャラクターの装備がいつもいつもちぐはぐなコーディネートになっている理由を理解したのだが、装備がグラフィックに反映されるゲームでちぐはぐな装備のままゲームをクリアするのは私の美意識が許さない。
 とはいえ、グラフィックのまともな金属製の下半身鎧は、なんとストーリーも序盤で、三つ目の街くらいで手に入る「てつのひざあて」「てつのグリーヴ」くらいしかない。それ以降は何故か、スカートとかズボンの方が金属製のグリーヴより防御力が高いという不思議な世界なのだ。
 いくらなんでも「てつのひざあて」でラストまで行くのはきついと思いつつ防具のリストを眺めていると、敵からのドロップ品でも店売りでもないが、錬金術を使って「てつのひざあて」を段階的に強化できるということが分かった。「はがねのひざあて」そして「たまはがねのひざあて」……ここまで強化すれば他の最終装備群より少し落ちるくらいで、なんとか見た目と性能を両立させたコーディネートができる。
 私は今まで放置していた錬金素材を求め、今さらながら世界中をルーラで走り回った。

 その後、無事なんとか納得できるコーディネートになったものの、中途半端に素材が余ってしまった。
「どうせだから、他の部位の装備も錬金術で強化できるだけ強化してみるか。フィールドの素材拾ってくるだけだし」
 そう考えてしまったのが運の尽きだった。(続く)