TRPG四方山話

 実家に残した本の整理をしていたら、文庫版TRPGのルールブックを見つけた。引っ越し先に持っていけなかった大きな版型のTRPGはほとんど処分してしまったのだが、文庫本サイズのルールブックは書棚に紛れて残っていたようだ。
 久しぶりに懐かしいルールブックのページを繰りつつ気づいた点をとりとめもなくちらほらと。

MAGIUSの話。

 天羅万象エンゼルギアで採用された「ロールプレイ評価システム」のはしりは「MAGIUSヤマモトヨーコTRPG」であるという説を見かけたことがある*1のだが、買った当時はまったく意識していなかった。どうして私の記憶に全然残っていなかったのかルールブックを読み返してみて──無理もない、と納得した。
 ヤマモトヨーコTRPGのロールプレイ評価システムは「キャラクター・アクション・ポイント」(CAP)と呼ばれ、洋子がまどかをからかったり、逆にまどかが洋子に反論したりするとポイントがたまっていき必殺技が使えるようになるという、原作再現のためのシステムである。
 すっかり忘れていたのだが、MAGIUSのほとんどは自分のキャラクターを作ることができず、既存の作品のキャラを選んで演じるゲームだった。MAGIUS五竜亭やモンスターメーカー学園といった、ファンタジーRPGをモチーフにした作品や既にTRPG化されている作品のMAGIUS版ですら、自分のキャラクターを作成するルールがない*2。MAGIUSで「自分のキャラを作成するルール」があるシステムは、今もなおカルトな人気を誇るという「町内防衛隊」や私が好きな「MAGIUS蓬莱学園」その他、数えるほどしかない。
 ウィザードリィ世界樹の迷宮が好きなことからもわかると思うが、私はアニメや小説のキャラクターをトレースして演じることにはあまり興味を惹かれないタイプである。そのため「キャラクター作成ルールがない」という時点でヤマモトヨーコTRPGを意識の外に置いてしまったらしい。

スクプリの話。

 久しぶりにスクラップドプリンセスTRPGのルールブックを発見。当時も思ったし、割と今更な話だが……秩序守護者とか絶対説得不可能な存在が敵となる世界なのに、どうして説得ルール*3をルールの主眼に置いちゃったんだろう。これがオーフェンTRPGだったらまだわかるのに。まぁ、どっちもMAGIUSでいいような気もするが*4。それと、複雑な説得ルールの方はともかく、判定一回で簡易な交渉ルールの方はなんでソードワールドに継承されなかったんだ? 情報収集とかに使えると思うのだが。

D&Dの話。

 メディアワークス版のD&D三部作を読み返して、技能ルールがちゃんと掲載されていたことに驚いた。*5ただ「命中判定が上方判定、技能判定が下方判定、セービングスロー(抵抗判定)が上方判定、シーフの特殊技能がパーセンテージ式の下方判定」というのは非常にややこしくてわかりづらい。3版で改良されたのもむべなるかな。

*1:ウィキペディアのMAGIUSの項目にもそう書かれている

*2:その代わりというわけではないが、五竜亭には「セリフ技能」というロールプレイ評価システムに類似したシステムがある

*3:このゲームの「説得」は戦闘の代わりになる解決手段。「論理打撃力」(!?)など専用の能力値が存在する

*4:MAGIUSオーフェンはちゃんと存在する。

*5:新和版だと技能のルールはガゼッタ1「カラメイコス公国」にしか掲載されていなかった選択ルール。