二兎を追う者は

「最近の日本のゲームはクソだ」と話した海外ゲーム開発者、彼にその真意を訊いてみました


 発言者自身が作っているゲームの出来はどうなのよ、という話は置いておいて……。
 個人的には、結局次世代機(といったって、もうかなり前だけど)のゲーム開発費が高騰したのが全ての原因だと思っている。

 開発費が高くなるということはゲームを沢山作れなくなるということで、いわゆるニッチを狙ったタイトルを出しづらい。もちろん、最初からメジャーに向けて作るんじゃなく、ニッチを狙ったソフトばかりが増えたからこうなったという考え方の人もいるだろうけど、開発費が安くてタイトルが沢山出せるということはメジャー向けもニッチ向けも両方作れるということで、そういった層の厚さの中からヒットゲームが出てくるというのが理想的な姿ではないだろうか(電車でGoとか音ゲーなんて、最初の作品はどう見てもメジャー向けを狙ってるとは思えない)。
 開発費が高いということは冒険ができなくなるということ、そして宣伝費で費用がさらにかさむということでもある。PSPの末期やDSの末期に携帯ゲーム向けのタイトルが集中したのは、結局開発費が安くてすみ、コストがかからないからということだよね。

 ゲーム会社の人に言わせると、次世代機が出てしまうと前の機種の企画はほとんど通らなくなるらしい。PS3が出てからPS2のゲーム作ったっていいじゃないかと思うけど、なかなかそうもいかないようだ。ゲハブログなんかでも機種ごとのグラフィックの違いを事細かにあげつらったり、グラフィックが前世代なだけでクソゲー扱いされるような傾向があるように見えるけど、それが結局開発費を押し上げ、モバゲーとかグリーにソフト開発資源が流れる原因を作っている。ソーシャルゲーを目の仇にするような人たちの嗜好が、結局ソーシャルゲーの躍進を招く一因を作ってしまっている図式は皮肉というしかない。*1

*1:もちろん、ゲハやそれのまとめブログにどこまでの影響力があるか/あるいはないかという議論はまた別の問題。