語るに落ちるとはこのこと

架空世界の常識と良識〜ラビットホール・ドロップスの感想 その2〜


児童・障害者支援TRPG「ラビットホール・ドロップス」の公開に関するお話

@xenoth_hatena うーん、僕はユーザーサポートで返事や交流するけど、AGSも他のクリエーターも批判論や否定的質問には応対しないのが一般的かも。そこはあまり期待しないであげて欲しいです。返信する RTする ふぁぼる pumimin 2012/06/04 12:57:59


 いやいや、そこ一般化しないでくださいよ。AGSや伏見氏は批判や質問を黙殺するかもしれないけど、ちゃんと真摯に向き合っているクリエーターはいるんですから。

 言いがかりに近い質問や批判ならともかく
 「TRPGは教育効果や医療効果があるよ!」
 「え、何それ? どこの誰のどんな研究が根拠なの?」
 「批判論や否定的質問には応対しない!(キリッ)」
 とか、仮にも産学連携だのTRPGの学術的価値だのを論じる立場としてはあり得ないでしょ、どう考えても。


 ラビットホールドロップスがテストプレイや記述が足りてないと感じる端的な例を挙げよう。
 ラビットホールドロップスには、狂言回しとして「うさぴょん」というキャラクターが登場する。PCたちが振ったダイスの目によって現れる可能性があり、登場するとランダムでヒントをくれたりアイテムをくれたりするが、ダイスの目によっては役に立たないアイテムをよこしたりやウソを教えてくるというキャラクターだ。
 ところがルールブックには、もしプレイヤーが「じゃあうさぴょん殺して武器を奪うよ」あるいは「うさぴょんに対して各クラスの特殊能力を発動するよ」と言われた時どう対応したらいいかのサジェスチョンが一行もない。騎士の特殊能力でうさぴょんを仲間にしたい(そのためにはいったん倒す必要がある)とか、行き詰った時に旅芸人の能力でうさぴょんから真相を聞きだそうとすることは当然あり得ることであり、TRPGの経験、セオリーを知らない子供ほど何が起きてもおかしくないはずなのだが、ルールブックを読んで5分で思いつくこの疑問に対する答えはまったく書かれていない。そこはGMの自由な判断に任せますと言いたいのかもしれないが、判断しようにもうさぴょんがどういう設定でどういうキャラクターなのか全然書かれていないので対処しようがない。
 初心者向けとは、ルールブックに書かれている文字の数が少ないということではないのだ。