iPodTouchの話

 ちょっと前のブログで、iOSのバージョンを上げたらバッテリの持ちが悪くなったと書いた。それで色々試してみたところ、面白いことがわかってきた。


http://www.apple.com/jp/ipodtouch/specs.html


 ここを見ると、音楽再生時40時間、ビデオ再生時7時間とある。OSによる差異については触れられていない(ちなみに一つ前のiPodTouchもカタログ値は同じである)。そこで、OSによって本当に持ち時間に違いがあるのか、新旧のTouchの音楽再生時間を比べてみた(Wifiや位置情報サービスなどは全てカットし、通信関連は全てオフラインにした状態で)。
 そしてわかったことは「電力消費以前に、OSによってバッテリ残量のカウント方法が違うらしい」ということだ。

 具体的にいうとこうなる。
 旧新両方のTouchで満充電状態から同時に同じ音楽を同じ音量(8)で再生し始める。すると、まず2時間半程度で新Touchのバッテリの目盛りが減る。この時点で旧Touchは100%のまま。この状態がさらに1時間ほど続く。これを比べて私は「iOS5の方が減りが早い」と述べた次第である。
 ところが、そのまま再生を続けると旧の方が急に減り始め、10時間強、残り60%程度で新の残量に追いつき、そこでまた止まる。新はその間もずっと一定の割合でバッテリが減っていく。バッテリを完全に空にするのは怖かったので25時間、残り30%程度でとりあえず音楽再生の実験は止めた(恐らく両方ともきっちり40時間は持たず、35時間程度でバッテリが切れたと思われる)のだが、その間ずっと「新がずっと一定の減り、旧が減る、止まるを繰り返して後を追いかける」という図式だった。ただ、最後の段階でも新の方が残量は少なく、恐らくiOS5になったことで1.1〜1.2倍ほど減りが早くなっていると思われるが、当初想定していたほどの差はなかった。そして、残量表示としてはむしろ5で正しくなったのかもしれない、ということがわかった(4はタイミングによっては残量を正しく表していない可能性がある)。

 なお、旧Touchにはアプリを入れていなかったため比較検証はしていないが、動画再生は新Touchで3時間半でやはり30%くらいの表示になったため、恐らく5時間半くらいで切れてしまうのではないかと思う。私が一番使用頻度の高い音楽再生+電子書籍という組み合わせは検証していない(常時画面を操作していないと画面が省電力モードに移行してしまうため、検証できなかった)ものの、普段使っている感覚からすると動画再生と変わらない、もしくはそれよりは少し長持ちするくらいではないかと思われる。音楽再生時間の長さに比べると随分短いのは、やはり高精彩高輝度液晶の電力消費は激しいということなのだろう。

 そして一番驚きだったのは、アプリ実行時の持ち時間だった。ウィザードリィ2本とスト4をバックグラウンドで実行しながらKOFをプレイしたところ、なんと40分で50%を切ってしまった。このままいくと、1時間半程度でバッテリ切れする計算である。なお、通信関係は一切実行していない。これを知って、私はゲーム関係のアプリを削除してしまった。どうせこの操作性ではプレイすることはほとんどなさそうだし、間違って実行してもタスクを起動するまで確認できないので知らないうちにバッテリを使ってしまいそうだったからだ。

 なお、今回の実験については、たまたま私が持っているiOS4と5のiPodTouchの設定や環境ではこうなったというだけに過ぎない。恐らく違うTouchなら違う結果になると思われる。これを読んでいるあなたのTouchならもっとバッテリが持つ場合もあるだろうし、その逆も当然あり得る。あくまでも参考として捉えていただければ幸いである。

 明日のエントリに続く。