戦場一日目

 天気は曇り。肌を焼くような晴天や暴風よりはよほど過ごしやすい天気だった。

 まずFF11のジャンルに向かったのだが……一時の盛り上がりを考えると、寂しさは拭えなかった。見覚えのある絵柄のサークルも、私の記憶の範囲ではおおつきべるのさんのところくらいしかない。とはいえ、おおつきさんの本は今までの総集編的なもので、私の好きな作家さんが何人も寄稿していたりしてなかなか読み応えがある。この本に出会っただけでもジャンルスペースに顔を出した甲斐があったという感じだ。
 おおつきさんはやっぱり白と竜だったのね。なんとなく、それぞれのキャラの描き方からしてそうじゃないかなという気がしてた。それにしても、アラタさんのとこの黒魔導師といい、おおつきさんのところのオニルルといい、男装しているタルタルの女の子って流行なのか?(笑)
 寄稿している作家さんたちももう過去形でコメントを書いている人が多く、ああ、彼らの中でもFF11は終わってるのかな、という想いに囚われた一冊だった。

 対照的だったのはTRPGのスペースだ。古いゲームから新しいゲームまで様々なゲームを題材に本を作っている人たちがいる。全体的には、かつて最も多かったソードワールドリプレイに代わるものとして、アリアンロッドダブルクロスが新しいリプレイの潮流を作っているように見えた。思うに、ソードワールド2.0は独自の設定が多く、ファンタジーの「スタンダード」になりづらいのではないだろうか? 自分独自の「何か」を表現したい制作者にとっては、ゲームそのものはプレーンで癖がない方が扱いやすく、ゲーム独自の設定などはむしろ邪魔なのかもしれない。その独自設定が行くところまで突き抜けてしまった蓬莱学園のような状況になればまた事情は違うのかもしれないが。

 あとジャンルを問わず印象に残ったのが、iPad等のタブレット端末を活用しているサークルが非常に多かったことだ。キーボードレスのタブレット端末の有用性を今ひとつ疑問に感じている私だが、ことこの用途に限ってはどのようなノートPCを以ってしてもタブレットにかなわないだろうと思う。ぶっちゃけ、限られたサークルごとの展示スペースで、ノートPCのキーボード部分は邪魔以外の何物でもない。来店者がキーボードを操作する機会もないだろうし、むしろ通行人がキーボードに当たったりしたら危険だ。
 デジタル作品を出品しているサークルが作品そのものを展示できるのはもちろんのこと、アナログな作品を出品しているサークルであっても、リアルタイムで表示内容を書き変えることができ、気軽にサークルスペースに立てかけておけるタブレットは非常に便利なはずだ。もちろん……開催時間を考えると、バッテリの問題を解決する必要はあるが。

オリジナル展開どころか

 会場でダントラ2の紙袋を持っている人を見かけたんだけど、どうもキャラに見覚えがないと思って改めて帰ってから調べ直した。


『ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印』完全新規の世界観&キャラクターで登場!!


 まさか設定すらToHeart2とは切り離して完全に一新してくるとは。それならキャラメイクさせてくれよ! と思ったけど、これでキャラメイク可能になったらまんまととものか……。



 しかし、メイドロボは存在する世界なのね。