ほぼ全面的に同意

おおかみこどもの雨と雪


 金色のガッシュ! の雷句氏によるおおかみこどもの感想。普段のこの人の主張に賛同しているわけではないのだけれど、この映画の感想に関してはほぼ同意できる。
 以下ネタバレあり。












 特に、

これが宮崎駿監督や、鳥山明先生なら、周りを取り囲む世界をおおかみこどもがいてもおかしくない世界に作り上げる。目の前でほうきに乗って空を飛んだキキを見ても、オソノさんが「ワァーオ!」と言って、それで終わりである。悟空など、変身するウーロンや、触っただけで人たちを人参にかえるウサギを見ても、「お、変わった奴がいるなぁ」で、終わりである。こういう世界を作るのも立派な才能なのです。


 これにはなるほどと思った。確かにそのとおりだ。児童相談員を出しておきながら花の医学知識が独学、というのはちぐはぐに見える。これまた繰り返しになるがサマーウォーズの時と同じで、児童相談員に不当な扱いを受ける花、というシーンを描写したいという想いが先行していて、設定全体の整合性が取れていないように感じてしまう。花が独力で雨と雪を育てていくことが可能な世界を設定するなら、他の部分で中途半端なリアリティを演出してはいけないのだ。