吐き気を催す邪悪とはッ!

不定期連載。カルト教団や詐欺師に騙されない方法

 不定期連載、カルト教団や詐欺師に騙されない方法。前回はバナナを持って襲ってくる詐欺師にどう対抗するか説明しましたね。


 カルト教団や詐欺師は、あなたの誠実さにつけこみます。対話しようというあなたの気持ちを踏みにじるのです。彼らは、会話の中にルールを持ち込みます。曰く「それは揚げ足取りです」「あなたには対話の姿勢が見られない」「あなたは私の発言を理解していない」「自分で考えてください」


 誠実なあなたはこう考えるでしょう。「なるほど、何か僕が悪かったのかな」。気のせいです。誠実な議論というものは、一方が議論のルールを独裁的に決定するところからは始まりません。あなたの思考を非論理的な権威によってたたきつぶすことで、あなたの自我を打ち砕き彼らは「正解」を押しつけます。


 よく観察してみてください――その人はえらそうな賞や学歴をひけらかしていませんか? 権威ある人物にはへりくだり、学のない人や組織内で立場の弱い人には居丈高ではありませんか?


 他の学者やジャーナリストが質問をしたときに「この本を読めば分かる」「荒らしはブロックだ」と不誠実なことをしていませんか?


 説明を求めた時に「文脈を読めばわかるはずです」「一部を取り上げて揚げ足を取らないでください」「この本を読めばわかります」「(その人の味方ばかりの)勉強会に来てください」と、あなたの能力に問題をすり替えたりはしていませんか。その人は、本当に説明出来ないだけではないでしょうか。


 相手と対話しようとすることは素晴らしいことですが、世の中には対話を洗脳とすり替える邪悪な人物もいるのだ、という認識を持つことは間違っていません。本当の知的な誠実さの価値は、そのような邪悪によって損なわれることはないからです。


 なお、本連載の詐欺師については、筆者が見聞きした人々のもっとも邪な部分を凝縮しカリカチュアライズしたものであり、特定の組織・団体・宗教・批評家を意図したものではありません(というか、そんなやつはいない)。


 好評だったので対詐欺師講座、ちょっと補足。まず、詐欺師がイチゴを持って襲ってきた場合の対処方法は……そうですね、あなた、ちょっとイチゴを持って……(BANG!)このように拳銃で射殺するのが一番です。


 それはそれとして補足。あなたが議論している相手の文章は、やたらめったらに長くて、聞いたこともない専門用語や横文字に溢れていないでしょうか。あなたが反論したとき、彼らは反論ではなく、専門用語や横文字の解釈にケチをつけてこないでしょうか。


 これは、彼らがあなたに文意を理解させるつもりがなく、ただ彼らを権威として従わせるために書かれた文章だからそうなるのです。もとより、書いている彼らにも意味などわかってはいません。


 ただ、あなたが専門用語を理解できない愚か者だ、と聴衆に誤解させることで、みずからの論旨が崩壊することを隠蔽しているのです。このような悪質な情報操作に対しては関わらないか、さもなくば根気強く本題に戻すことが必要です。


 あるいは、専門用語について恥ずかしがらず、質問してみてもよいでしょう。わかるように説明してくれるのか、「テッケレツノパー効果も知らないなんて! あなたはアチャラカモクレンを読む必要がありますね」と新しい専門用語でごまかすか、それによって相手の知的な誠実さが判明します。


 では次回、先が二股になった槍を持った詐欺師については無期延期ということで。


 たまに真面目なことを書いた結果、フォロワー数がどっと増えるわRTにつぐRTでなんかもうえらいことになるわで大変驚いております。ありがとうございます。基本ろくでもないことしかつぶやきませんが、よろしくお願いいたします。


 そうだよね、そんなやついるわけないよね(棒)。


 小太刀右京さんやXenothさんの凄いところは、私なんかがなんとなくもやもやとして、上手く言葉にできないことを快刀乱麻を断つようにスパッと分かりやすく平易な言葉で説明してくれるところだ。すっきりした。うん。

 おまえは… 自分が『悪』だと気づいていない… もっともドス黒い『悪』だ…
                    ──ウェザーリポート(ジョジョの奇妙な冒険