エース以外の物語


 以前のエントリで1巻をご紹介したワイト島分遣隊の物語、これにて完結。
 ペリーヌに憧れるアメリー。シャーリーに憧れるフラン。ミーナが庇いきれず501を追われたラウラ。負傷して本調子が出せない角丸。……そしてもうすぐあがりを迎えるウィルマ。
 個人的には、光の当たるトップエースばかりでなく、こういう地味で目立たない部隊の話も面白いかな、と。今回のエピソードはページ数にも限りがあったみたいで残念だ。ようやくメンバーの紹介が終わったところで完結してしまった感じ。もうちょっと彼女達の活躍を見てみたかった。*1
 映画のペリーヌとアメリーのシーンにこのまま繋がるような形での終わりでほぼ予定調和っぽかったんだけど、一つだけ予想外だったことがある。この物語の主人公、ウィルマ・ビショップはウィッチたちのなかでも珍しく、結婚することが語られている人物だ。しかもかなり年上の軍人が相手だったはず。この物語ではその人物との交流が──語られないまでも、最後にはそれを匂わせて終わるものかと思ったら、ウィッチの「あがり」で引退することこそ語られているが、結婚については触れられないまま終わってしまった。まぁ、ミーナ隊長の例もあるし、最後まで男性の影は見せないというのも一つのやり方かもしれない。
 後書きの、ワイト島分遣隊にはなぜ「○○ウィッチーズ」という称号がないのか、という理由もなかなかよかった。

 ところで、最終話の最後とその後のエピローグでちょっとした疑問が湧いた。
 アメリーはペリーヌの元に向かうといい、角丸隊長は扶桑に向かうという。これはいいんだけど、ウィルマはリーネのいるガリアに向かい、フランもそれについていくと言っている。しかしエピローグでは、ウィルマはアメリーからの手紙を受け取っている。彼女が飾っている写真にはシャーリーとルッキーニの隣で赤面するフランが写っている。……シャーリーたちは確かロマーニャにいたはずで、ということは、フランはロマーニャに向かったのだろうか。そして、アメリーからは現況を報告する手紙……つまり、傍にいない? ウィルマは一体どこに向かったのだろう?
 それと、オストマルクに行くと言ったラウラの隣に写っているポニーテールの女性は、ミーナにもバルクホルンにもエーリカにも見えない。誰だこれは? 静夏に似てるけどラウラとは関わりがないはず……。

 それはそれとして、ペリーヌさんは豆狸が関わらないとホント綺麗なペリーヌさんなんだなぁ……。あと、フランはどう見てもアスカに似てる(笑)。

*1:でも、トップエースこそいないけど、ウィルマはワイト島に来てからのカウントでも3機以上ネウロイを撃墜しているような……。