ビブリア主演:剛力彩芽さん「原作の栞子のイメージを全部覆そうかと思う 髪は短いままでいく予定」
正直、ちょっとゴーリキ氏のことを見直した(笑)。映画館に行くまでもなく「この映画はクソ映画ですから原作ファンの方たちは来ないでくださいね^^」とアピールしてくれる主演女優ってのもなかなか聞かないからねえ。
えーっと、冗談はさておき。これはある人の受け売りなんだけれど「小説の描写に、意味のない描写などない」。原作の栞子がロングへアで色白なのは、作者の好みだからとかなんとか以前に、物語上の必然であり、意味がある。
色白なのはもちろん「本ばかり読んでいてほとんど外に出ない」からだし、本文に明記こそされていないが、ロングへアなのは恐らく「活動的でなく、身の回りのことに頓着しない性格」を象徴的に現している。それを敢えて「ロングからショートに変える」のなら、「物語上の必然」がないといけない。これを無視すると「星を追うこども」みたいに描写とストーリーがガチャガチャな作品になる。だから主演女優がショートヘアのまま栞子を演じるというのなら「然るべき理由」が必要だ。髪形を変えるということは単に意外性だけでは済まない。栞子を構成する物語上のパーツを変えるということであり、すなわち物語全体を再構成する必要がある。刑事コロンボがお洒落でハンサムなプレイボーイでは、物語が成り立たないのだ。
何より栞子という人物は「一見天然気味でおっとりしているが、時として周囲の人間を恐れさせるほどの知識と知性のひらめきを持ったミステリアスな女性」として描かれている。正直この主演女優じゃ剣心以上にヒドいことになるのはほぼ確定だろう。申し訳ないけど頭悪そうだもん(笑)。
コメント一つ取っても「『ショートカットの栞子もいいじゃん』って原作ファンに思ってもらえたら」って部分はまだわかるけど「原作者に思ってもらえたら」って何様ですかアナタ。原作者に対する敬意とかそういうものは微塵もないの? まともな知性があればこんなコメントしないだろ。同じ事務所の池澤さんに圧力掛けてる暇があったらまずこんなアホなコメントをする本人を黙らせるべきだ。まぁ、キャスティングの時点で制作スタッフ全員原作なんてどーでもいいと思ってそうだが。
ぶっちゃけ、非常に映像化には向かない作品だと思う。この作品のハイライトである本についていろいろ語るシーンは、映像にしても見栄えがしない。栞子が本を目の前にして延々語るだけのシーンになってしまうからだ。恐らく脚本レベルで大きな変更が加わるんだろう。その時点で期待度ゼロだけど。
……とはいえ、原作の方で何か大事件が起これば栞子が髪をばっさりやる可能性もゼロじゃないかもしれないが。
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
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追記と訂正:これって劇場版じゃなくて連続ドラマだったんですね。指摘を受けたのでお詫びして訂正します。