ガルパン三昧(4)


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 さて、改めて公式サイトで無料配信中の第1話を見直してみて、いろいろ気付いたことがあった。
 一番驚いたのは、第1話で既に「優勝できなければ廃校」の伏線が張られていたことだ。それも、核心を突いているのはなんと生徒会長でもドジっ子の桃でもなく、最も目立たない副会長である。18:51のところ。

桃「これは、どういうことだ?」
杏「なんで選択しないかなぁ」
桃「我が校、他に戦車経験者は皆無です」
柚「終了です……我が校は終了です!」

 

 これはどう考えても廃校のことだろう。第8話で桃が思わず口走った的な雰囲気になっていたが、実はずっと前にポロリしちゃっていたわけだ。なお、その後会長がいう「この学校にいられなくしちゃうよ」も、たぶん「この学校が廃校になればみんないられなくなるのだ」という裏の意味を込めた台詞なのだろう。*1

 ところで、私がこのアニメで一番好きなキャラは、前にもちょっと語ったとおり生徒会長の杏である。Toheart2の新展開がもはや望めなくなってしまった今、足りないまーりゃん先輩分を杏で補うのだ! ……という冗談はさておいて(笑)。
 実のところ(既にネットで指摘している人もいるが)、第1話ではみほを戦車道に引きずり込むため手段を選ばなかった杏だが、その後は特段傍若無人な行動をとっていない。他人の発言に対する反応が鷹揚だったり、相手チームとの試合前の顔合わせで引かなかったりという行動はあるものの、トラブルメーカーとしての一面はほとんどない(どちらかといえばそれは桃の方)。むしろ、第8話でみほを呼び出しながら廃校の話を持ち出さないなど、相手を気遣っている。
 そして、第9話では「あたしらをここまで連れてきてくれてありがとね」と礼を言った上(つまり自分たちだけではここまでこれなかったと自覚している)、これまで乗車中何もしていなかったのを覆し、自ら砲手として相手チームの戦車を砲撃、撃破している。これはもちろん、桃の射撃が下手で、柚が操縦に集中しなければならないという状況から、人知れず訓練を積んだのだろう。敵戦車に関してもちゃんとした知識を持っている。
 杏はみほが戦車道経験者だから役目を押し付けたというだけではなく、自ら戦車道を履修し、サンダース戦ではフラッグ、プラウダ戦では危地を脱するための先陣を務め、自分の目的である廃校回避のために最善を尽くしているという、結構真面目なキャラなのだ。その意味では、冒頭の発言を覆すようだが、一見するとまーりゃん先輩に似ているものの、本当は正反対のキャラなのかもしれない。*2

*1:履修プリントの「仙道」「忍道」の文字も凄い気になるんだが……。

*2:実のところ久寿川ささらシナリオ前半までのまーりゃん先輩は結構真面目なキャラであり、私はそんなところが気に入っていたのだが、作品を重ねるたびに傍若無人なトラブルメーカー的側面の方がクローズアップされていった。