戦隊物ともちょっと違う

【TRPG】PC1は主人公? PC番号とは何なのか


 私はPC番号というのは純粋に「ハンドアウトとそれに付随する情報の、シナリオにおける重要度の順番」そして「シナリオへの動機付けの強弱」だと思っている。だから別にPC1だけが主人公だなんてことはない。ただ、もちろんPC1は「シナリオ進行で最も重要な情報を持っている」ことになるので、例えば人数が足りないとかそういう理由でPC1を抜くというのは推奨できない話になるが。
 ハンドアウトでシナリオへの当事者性を高めるということは、それに優先度があるのは当然だろう。4人のPCがいたとして、シナリオの当事者性が全く同じで順序がないシナリオというのは、アルシャードガイアの「君といるセカイ」のような特殊なシナリオだけではないだろうか。


 そもそもハンドアウトとPC番号が今の形で導入された最初のゲームはブレイド・オブ・アルカナ(のスーパーシナリオサポート)なのだけど、特にダブルクロス以降のゲームにおいては、シナリオで狭義の意味*1での「ヒロイン」が登場することが多い。ヒロインが登場するということは相手役が必要となるため、その役がPC1に割り振られることが多く、必然的に「主人公」っぽい立ち位置になってしまうのだ。
 ただ、ハンドアウト制を採っているゲームのシナリオに必ずしも全部ヒロインが登場するとは限らない。例えば私の印象に残っているシナリオだとNOVA・Dの「嘘と真実」だとか、カオスフレアの「クリスタルトゥーム」などでは、せいぜい依頼人しか登場しなかったり、むしろ敵だったりもする。そういうシナリオでは、PC1を選んだところでラブコメ的なヒロインとのやり取りなどほとんどない。
 言い方を変えれば、PC1が主人公的な立ち位置になるかどうかはシナリオの作り方次第なのだ。キャンペーンシナリオなどでは往々にして「前後のシナリオでPC番号が入れ替わる」こともある。そう考えると、PC1の特異性は戦隊物のレッドなどより、さらに薄いといえるだろう。

*1:小太刀右京さんとかが使う広い意味での「ヒロイン」は、いわゆるシナリオの「プライズ」のことを指す。