侮れない

ゲーマーズ・フィールド別冊27 特集 巨大ロボットRPG

ゲーマーズ・フィールド別冊27 特集 巨大ロボットRPG

  • 発売日: 2014/04/18
  • メディア: おもちゃ&ホビー


 前の別冊の時も今回も、取り上げられてるタイトルが今一つ馴染みのないタイトルばかりだったので買おうかどうしようか散々迷った。ところが、読んでみたらどちらもインタビューが琴線に触れまくるというパターン。*1

井上:ところがですね……『エンゼルギア』はですね……これ言っても理解してもらえないかもしれないけど、最初は「日本がアメリカに侵略する話」だったんですよ。*2

林:なんと!

久保田:そうだったんだ!

──それが、なぜ今のように「天使が支配する世界全体から侵略される」ようなお話に変わったんですか?

井上:理由は簡単。みんな「日本がアメリカを侵略している」という状態が想像できなかった!(笑)

──シンプルな理由ですね。

林:でも、言われてみれば想像できませんよね、その状態(笑)。

井上:普通の人間はね、今まで見たこともないドラマを再現することはできないんですよ。

久保田:そりゃそうだ(笑)。

井上:よって、何が起こるかわかります?

林:なんでしょう?

井上:日本人には日本が侵略されているお話しか想像できないわけです。これは地球全体にしても同じ。他の星から侵略されたという話になる。

林:なるほど。


 たぶん、私だけじゃなくうちの鳥取全員がこれを見たら「えっ!?」って絶句すると思う。


 このインタビューを読んだら普通の人は、こんなこと言ってる井上さんが「日本がアメリカを侵略するTRPG」をデザインしているとは思わないはずだ。
 しかし、彼の作った「天羅WAR」こそは、まさにその「日本がアメリカを侵略するTRPG」なのだ! 
 彼の過去の言動を考えると、全部承知の上で意図的にこういう発言をしているとしか思えない。ちなみに、前回のインタビュー記事でも井上さんは「次に作りたいTRPGは日本軍へのレジスタンスをやる抵日をネタにしたTRPG」なんて発言している。それを読んで「またいつものが始まったわ〜」と思った人は、(私も含めて)その時点でもう彼の術中に嵌まっている。


 私も後になってから気付いたのだが、「侵略してくる日本の軍隊に抗うPCをプレイするTRPG」って、それNOVAじゃねーか!

*1:「前号の琴線に触れた部分」については、考えがまとまったら「神様になりたかった少年」というタイトルで記事にするつもりです。

*2:エンゼルギアが最初は日本がアメリカを侵略する話だった」っていうのは凄くよくわかる。前作の「エンゼルコア」を知ってると、ラルフ・マスケンヴァルを擁する第三帝国と、それに与する日本が「負けている側にいる」っていうのは違和感がある。そのせいだろう、わざわざ世界設定で「一捻り」してあるのだ。