優しくない世界


 この動画がYouTubeの広告動画になっているせいで、YouTubeの動画を再生しようとするたびにシャントット先生に怒られる羽目に。
 それはさておき、前の無料期間の時にも一時復帰したし、今回も復帰してみた。しかしまぁ、プレイすればするほど「今のMMORPG」との差が浮き彫りになる感じで何だか寂しい。


 もしFF11をプレイした経験があって一時休止し、上の動画を見てこの無料期間で復帰しようとするプレイヤーがいたとしたら。まず何をするだろう。恐らく、上の動画で勧められているとおり、フェイスとエミネンスレコードをやろうとするのではないだろうか。しかし、これがなかなかハードルが高い。

癒しのないフェイス

 まずフェイス。DQXのサポート仲間の時には「前衛を雇って自分が後衛をやった方がいい」と書いたが、フェイスの場合は逆だ。フェイスには「ヒーリングしないでも非戦闘時にMPが徐々に回復する」「MPが切れたら再召喚(リキャスト4分)することでMPが全快する」という、PCにも今まであったフェローシステムにも存在しないメリットがある。また、プレイヤーキャラの映身である(当然装備の性能も反映される)サポート仲間と違い、フェイスはPCのレベルに依存して召喚されるのみである(ややこしいが召喚者のアイテムレベルは「レベル」であるため反映される。性能は反映されない)。よって、私が調べたり試したりした限りにおいては、少なくともレベル99以上の領域ではPC自身が敵を殴る方が望ましいと思われる。そもそも自分がオートアタックに入らないとフェイス自体も敵を殴ってくれないというシステム上の問題もある。
 ところが、三国のチュートリアルエストを回って手に入るのはクピピ、エグゼミニル、ナジの3人であり、ヒーラーである白魔導師はクピピだけ。しかもクピピはストーリー上白魔導師であるという示唆はほとんどなかったため、仲間にしてみるまでヒーラーと思わなかった人もいるのではないだろうか。
 さらに、現在仲間にできるフェイスの一覧を見ると、期間限定のポイントが必須なミリ、ミッションクリアが必須のチェルキキ・イングリッド、エミネンスが必要なフェリアスコフィンくらいしかヒーラーがいない。ヴァナディールの実態としては赤魔導師もヒーラーに近かったはずだが、赤魔導師のフェイスは攻撃・弱体魔法中心のAIで、回復や支援、強化をほぼ(あるいはまったく)してくれない。結果的に選択の余地がなく、ほとんどのプレイヤーがクピピを連れ回す羽目になる。フェイスは4人パーティなのだがあと2人はどうしろと……。

無数に道があることは、道がないのと同じ

 そして、エミネンス・レコード。正直一番戸惑ったのはこれだった。動画のシャントット博士は「稼げばお得」くらいのことしか言ってくれないし、画面には3×3種類の目標(クエスト)が表示されるのみであるが、実はこれ、573種類もの目標が存在する。初期状態では選べないものもあるが、それでも膨大な数の目標がオファー画面に表示される。
 で、ゲーム内にはどの目標をどのように設定するのが推奨されるか、それを達成するためにどこで何をすればよいかのサジェスチョンは一切ない。例えば、動画では説明が欠落しているが「モンスターを規定数倒す」のと「FOVを受ける」目標は、前者が繰り返し可能、後者が繰り返し不可のチュートリアルであり、まったく別の性質のものである。「500以上のダメージを与える」なんていう目標もあるが、アイテムレベル導入前に休止した身からすると、敵を殴って通常ダメージで500を超えるというイメージが湧かない。
 そんなわけで、必然ネット情報に頼ることになる。
 まず私が見つけたのは「Dimgruzub(でぃむぐるず)」というヴォイドウォーカーNMをひたすら殴るという稼ぎ方だった。この敵はHPがとんでもなく高い代わりに敵へのダメージが10倍になるという特性を持っている。これをひたすら殴って「500以上のダメージを与える」の繰り返し目標を稼ぎまくるという方法だ。普通に戦えば強敵だが、アイテムを使うことで弱体化が図れる。最大の5個使えば、サポ踊り子の前衛やナイトなどではまず苦戦することはなさそうだ。*1
 ただし、これは「敵を倒さずにひたすら殴り続けることで稼ぐ」方法であるため、敵を倒してしまうと終了してしまう。よって、一回スタートすると占有終了時間まで戦闘が終わらず占有も解けない。もうオチが読めたかもしれないが、私が現場まで行ってみると、既に占有しているプレイヤーが複数いて、いつ終わるかわからない状況だった。「他の出現ポイントのところに行けばいいのでは」と思うかもしれないが、アラパゴのVWに詳しい人はご存知だろう。アラパゴのVW出現位置は、最初のポイント以外は全て「ラミアの牙のカギ」がないとたどり着けない場所にある。そしてこのカギは、敵を倒すか町まで戻って別のワープポイントでワープした場所に行かない限り入手できない。
 

 幸い、倉庫の奥底に眠っていたカギが一つだけあったので、引き返して再び現地に赴いた……が、何も起きない。すっかり忘れていたが、ヴォイドウォーカーはヴォイドストーンを所持していないと出現しないのだ。これは私の確認ミスだが、納得できなかったのが「ヴォイドストーンを持っていないとヴォイドウォーカーを出現させられないのに、10万ギルもする弱体アイテムの使用(大事なものへの交換)はできてしまう」ことと「ヴォイドストーンが足りない旨のメッセージが出ない」こと。表示されるメッセージは「ヴォイドストーンとジェイドがあれば何か起こりそうだ」というもの(そしてヴォイドストーンは大事なもの扱いでアイテム欄には表示がない)なので、自分がヴォイドストーンを持っていないせいで何も起こらないのだ、という事実に気づくまで20回以上ボタンをクリックしてしまった。


 この時点で私のテンションは氷点下まで下がっていたが、さらにネット検索すると、別の方法でエミネンスを稼ぐやり方を紹介しているサイトもあった。



 この方法であれば、占有とは関係ないレイヤーエリアで存分にエミネンスが稼げる。問題は一つ。これがミーブル・バローズの上級プログラムのソロムグ原野・3というコンテンツで、到達するには上級1と2をクリアしている必要がある、という点だ。


 ここまで調べて、私は机に突っ伏してぶっ倒れた。(明日に続く)

懐かしき初期装備(?)

 なお、これもゲーム中に説明がないが、エミネンスレコードの目標のなかで、チュートリアルのうち基礎と合成を除く各項目は「過去に一度でもクリアしたことがあればオファーした瞬間クリア」扱いになる(AFクエストの記憶を消去した場合を除く)。このため、レベル99で休止したプレイヤーならば恐らく15000ポイント分くらいの目標は、オファーするだけでクリアできる。ただし、動画内で紹介しているアイテムレベル117のエミネンス装備はフルセット+武器を入手するために24000ポイントが必要であり、ジョブ一つをカバーするのが精一杯だろう。
 これらのエミネンス装備についても納得いかない点がある。動画を見ればわかるが、かなり初期の装備(ローブに関しては完全にレベル1装備)と同一のグラフィックになっているのだ。
 懐古のためだろうか? それともメモリを節約するために既存装備と同じにしたのか? 理由はわからないが、こんなグラフィックになっているために、久しぶりに降り立ったヴァナ・ディールで、目の前に立っているプレイヤーが「新規プレイヤー」なのか、それとも「復帰プレイヤー」なのか、区別がつかない。せめてこれがレベル50装備とかであればまだよかったのだが。装備のグラフィックを設定する際に、製作スタッフの間でこのことは特に問題とされなかったのだろうか? まずそのことが信じがたいのだが……。

*1:念のために付け加えておくと、後で実際にナイトレベル117(エミネンス装備)で実際に戦闘してみた。よほど促成栽培のスキルでもない限り負けることはない強さだった。ただし、ナイトならシバルリーはあった方がよいかも。