スマホゲームの開発費は“平均”で1億超え。2014年オンラインゲーム市場の知られざる数字を,JOGAに直接聞いてみよう
やっぱり業界団体って大事なんだよな。こういう風に分析されればとなるほどと思うし。たとえばこの辺とか。
植田氏:
よくご存じかと思いますが,ゲーム業界というものは3〜5年くらいの周期でパラダイムシフトが起こっています。スマホもそろそろピークを迎えていて,ヒット作が生まれづらいという状態になってますし。4Gamer:
確かにちょっと小休止している感じはありますね。植田氏:
スマートフォンの市場にも特定のタイトルが定着するようになってきて,2〜3年続いているものもあります。そろそろゲーム業界にまた,大きな変革の機会が巡ってくるのかな,と思いますね。そのときに中心となるのがPCオンラインゲームなのか,コンソールなのか,スマートフォンなのかは分かりませんけど。4Gamer:
まぁでも,今スマートフォン向けの新規タイトルを生み出してどこまで目立てるのかというと,ちょっと難しいものはありますよねえ。植田氏:
目立たせるために採れる手段が,非常に限られたものになっちゃうんですよね。4Gamer:
あと,昨年に比べてPCオンラインゲームの新作の話がちょこちょこ耳に入ってくるようになりましたし,なんとなくムーブメントが一周したのかな? という感はあります。一周というか,揺り戻しというか。
あるいはこの辺とか。
植田氏:
JOGAでは2004年からレポートを出しているんですが,当初はPCのARPPUのデータしかありませんでした。そのときは4000円ちょっとくらいだった記憶がありますから,そこから10年かけて数百円ずつ上がってきているわけです。
それに比べるとスマホは,短いスパンで急激な上がり方ですね。4Gamer:
4000円から10年かかって7300円……。一方でスマホは,1年でいきなり1500円も上がってるんですね。金額的には,月に1回10連ガチャを回して,10回分くらいのスタミナ回復を買ってる感じ……かな?植田氏:
ガチャといえば,スマホのゲームではパブリッシャさんがコラボアイテムに力を入れるようになってきてますよね。結果が出ているようでそれはいいんですが,でもこれ,PCオンラインゲームと同じ流れなんですよね……。4Gamer:
そういえばそうでしたねえ。植田氏:
打つ手がコラボ系に集中しすぎると,確かにARPPUはいったん上がりはしますが,ロングスパンで見るとマーケット自体はゆるやかにシュリンクしていくのではないかと。……仮説の域を出ませんが,かつてPCオンラインゲームがたどった道です。
一人当たりの課金額が7000円オーバーってことになると、コンシューマゲームの値段とあんまり変わらないんだよな。