独り言、あるいは贈る言葉

 また一つ、FF11のブログが消えた。


更新休止。


 基本的に私のブログでは、プロやアフィリエイトなど利益を上げているサイト以外は取り扱わない方針だが、批判的な文脈ではないということで許していただきたい。ぶっちゃけてしまえば、私は自分が見捨てた世界に残り奮闘するプレイヤーとして、ブログ主のがじさんを応援していたファンの一人だった。
 上のエントリで言われているように、FF11の黄金期を過ごしたプレイヤーたちが情報交換に励んでいた頃、今あるようなまとめサイトなどはまだ存在しないか黎明期だった。私が知っているのも「めてにょ」か「私はゲームを続けるよ」くらい。あとは用語辞典Elemen、そしてWikiを使って情報を集めていた。SNSなどはもちろんない時代である。
 かつてブログを巡っていた元FF11プレイヤーの方がもしこれを見ていたら、昔のブログを訪れてみてほしい。検索上位に来ていた革職人さん妄想竜騎士さん。更新が止まっているか、ジャンルの違うサイトになっているか。私が好きだったSpringSnowさんに至ってはサイトそのものすら消滅している。
 がじさんのブログは、決して古参のサイトではない。だが上にも書かれているように、更新されているサイトが一つ消え、二つ消え、ついにはFF11で検索すると公式サイト、用語辞典、wikiの次にがじさんのブログが表示されるようになった。ヴァナディールを離れている間、動静はここで掴んでいたといっても過言ではない。最近ではもう装備の名前も敵の名前もさっぱりわからず、地名すら心当たりがないものばかりになっていたが、雰囲気はなんとなく感じ取っていたつもりだ。

もしもあの時

 アイテムレベル制が導入された時、あまりの理不尽さにぶち切れ、私はFF11を休止した。しかし今にして思えば、アイテムレベル制の導入とフェイスの導入が逆だったら、そしてアイテムレベル制がアドゥリンでちゃんと告知されていたら、私は今もまだヴァナディールにいたかもしれない。
 TRPGも音ゲームも、そしてFF11も、仲間たちの間で最初に始めたのは必ずしも私ではなかったが、最後まで続けていたのは私だった。恐らくリアル友人なら同意してもらえると思うが、彼らが移り気なのではなく、私が保守的な人間だからだ。終焉に向かう雰囲気を感じてはいたが、最期まで見届けるつもりだった。アドゥリンまでは。
 4gamersのレビューか何かに書かれていたが、素材は最高の品だった。世界観やゲームシステムには、10年後発のDQXですら追いつけていない部分もある。本当は、それほど深い世界だった。

 がじさんの休止とともに、私にとってヴァナディールの今を知る手段はなくなる。だがそれでいいのだろう。私はがじさんの視点を通し、その文章を楽しみながらヴァナディールを知るのが楽しかったのだから。私自身が今のヴァナディールそのものを楽しむことは恐らく無理だし、運営も私のような人間はターゲットにしていないようだ。今はアストルティアが楽しいし、戻るつもりはない。


 長い間お疲れ様でした。それではよい旅を!