アルカナの支配者

ペルソナ5 - PS3

ペルソナ5 - PS3


 昨日に引き続き感想を。ちなみに今日のエントリのネタバレ具合は昨日の比ではないので、未クリアの人は回避絶対推奨でお願いします。













(Caution! ネタバレ注意)











(この先重大なネタバレがあります!)









<法王>佐倉惣治郎

 前作でいうところの堂島ポジ。始めた直後は堂島に比べて非友好的かつ突き放す態度で居心地悪さを感じたけど、若葉関連のイベントからぐっと親近感が増してくる。冷めた態度の理由とかが分かってくるとホントいいキャラだった。前作の理解者ポジが「上げて下げて上げる」だったのに比べて、今回は「下げる」の部分がないのでスタート地点が低くて、そこからひたすら上がっていくイメージ。
 エンディング近くの渋滞してる車のシーンでは、たかだか80時間前の話なのに切ない気持ちになった。始まりと終わりって感じで。

<剛毅>カロリーヌ&ジュスティー

 豊崎さんの声で「見損なったぞ、囚人!」とか言われるとけいおんの唯がグレたようなイメージがだね……(笑)。一番使ってたのがミリタリーショップ前のベルベットだったんだけど、あそこだとカロリーヌに背中を蹴っ飛ばされるモーションなのがなんだか可笑しかった。
 とはいえ、実はコープはまったく上がらなかった。フレイ持ちのシーサーがどうしても作れなかったからだ。マカミを仲間にしないままパレスをクリアしてしまったら、手持ちのペルソナをどう合成しても作れなくなってしまった……。この「パレスをクリアすると二度と入れない」部分については、システムの感想でまた触れたい。

<死神>武見妙

 開始に条件が付いてないこと、年上の女性キャラであることという二つだけの理由で上げ始め、結局MAXまで到達したコープ。前にも書いたが「貼る大気功」の存在にはオクムラパレスまでまったく気づいていなかった。これを買って攻略が数段楽になった気がする。

<節制>川上貞代

 これまたコープアビリティの存在をまったく意識せず、純粋に話が面白かったことと渕上さんの声に惹かれてMAXまで上げ切ったコープ。こちらについてはメリットをほとんど享受できなかった。というのも「電話しないと来てくれない」ことに、かなり後半まで気づかなかったから。コープ後半で「店を辞めた」といって電話の反応がなくなるタイミングがあるので、電話で呼ぶという発想に至らなかった。自宅の机に向かう度に「どうしてべっきぃを呼ぶオプションが表示されないんだろう」とは思っていたのだが……。

<悪魔>大宅一子

 こちらは逆に、クリア後にネット情報を解禁したらほとんど意味ないコープアビリティと聞いてショックだったコープ。上二つを合わせて、どれもメメントスがクリア条件になっていて愕然としたコープでもある(<法王>や<隠者>を進めたのはその後だったので)。ところで、彼女の言ってたスクープってやっぱり最後のパレスの主関連なんだよね? 最後までやっても結局詳細は分からなかったけど……。

<月>三島由輝

 上げたかったんだけどほとんどメメントス絡みっぽくて躊躇してしまったコープ。MAXまで行かなかった。控えのメンバーに経験値が入るのは魅力的なんだが……。三島って日によっている場所が違う気がして、見つけ辛かったというのもある。同じように<隠者>も一生懸命双葉の自宅に通ってたら、実は喫茶店の前がスタートだったという。

<星>東郷一二三

 こちらも<死神>と反対で、クリア後にネット情報を解禁して調べてみたら、コープアビリティが超重要で愕然としたコープ。反射神経が鈍いので敵から不意打ちとか食らいまくってたんだけど、逃げられないのは仕様だと思って諦めていた。まさかコープアビリティで打開できるものだったとは……。戦闘中の交代もそう。まったく上げないままクリアしてしまった。
 結局コープアビリティにしてもコープ絡みのメメントスにしても「4と似て非なる部分」にことごとく引っ掛かった感じ。先入観って怖い。










(この先、ストーリーの核心に関連するネタバレあり!)









<審判>新島冴

 P5のストーリーの鍵を握るキャラ、だと私は思っている。彼女の取り調べのシーンは、またP4と比較してしまうけど堂島の取り調べのシーンに良く似ている。ただ、その取り調べを冒頭に持ってきて、メインストーリーを回想で始めたあたりが秀逸だった。映像作品とか小説とかアドベンチャーゲームでは珍しくもない手法だけど、RPGでこれをやってストーリーを破綻させずに展開していくのは非常に難しかったはずだ。
 中盤、ニイジマパレスが「カジノ」だとわかったとき、そしてその突入シーンでは、「ついにあの冒頭のシーンに繋がった!」という、世界樹1の21階突入シーンと同じくらいの高揚感があった。そしてメタ的な視点から言えば、わざわざ冒頭シーンをなぞらせる以上、叙述トリックを仕込んでくるところも予想できなくはなかった。つまり「OPのシーンは、プレイヤーにとってはジョーカーが負けて囚われるシーンに見えるが、実は別の意味があるシーンなのだ」と。とはいえどういうトリックが仕込まれるかはまったく想像できなかったし、伏線も気づかなかった。さすがにパンケーキでは気づかないわ……(P4の時の足立の台詞もスルーしたんだけど)。
 そうそう、春とか明智が裏切るかも、ってのは、OPムービーの「お前は売られたんだ」を覚えてたから、ってのもある。あれは意図的に印象に残るように演出されてたし。しかし、重箱の隅つつきになるけど、あのどんでん返しのネタバレのシーンの説明は長すぎた気がする。あれ、イベント後に双葉に話しかけると更なるネタバレを教えてくれるんだけど、メインでは説明を端折って、もっとそっちに回して良かったのでは。
 ところで、新島冴は結局改心したんだろうか? 価値観や性格は、少なくともパレス攻略前後ではあまり変化していなかったように思うのだが。クイーンの話が真実なら、彼女のオタカラは持ち去られなかったはずで、そうなると彼女に改心は起きていない=性格がそのままなのも当然、なんだけど、そうするとパレスが消滅したのは何故か、って話になる。大団円での会話を見ても、オタカラはやっぱり持ち去られていて、改心は起きた、しかし元々歪みが小さかったからそれほど変化しなかった、と考える方が自然、かなぁ。
 しかし、新島姉妹のエピソード。攻略対象でもないのに姉のパレスの有無を真っ先に確認してるクイーンはやっぱり怖い。その上で「あのトリック」を仕掛けていたわけで、さらに怖い(笑)。

<世界>イゴール&ラヴェンツァ

 「ストーリー上のどんでん返しはOPに絡む一つだけ」と思いこんでいたので、心底驚愕したのがこっちのイベント。最初は「なんか、新しいイゴールの声、前と全然イメージが違うんだけど……仕方のないことだけど、もうちょっと似た人を連れてこれなかったのかな。やっぱりイゴールのイメージは田の中さんなんだよなぁ……」とか思ってて、その違和感もいつの間にか忘れてたんだけど、まさかそのこと自体が伏線でこんな形で回収されるとはまったく思ってなかった。マジでリアルで「げぇー!」と言ってしまった。
 よくよく思い返してみれば確かに、フィレモンの従者であるイゴールがジョーカーを囚人呼ばわりしたり(今回も強調されてたがイゴールにとって主人公はあくまでも「客人」)、話の展開を「ゲーム」呼ばわりしたり、イゴールだったら絶対にしないはずの言動ではあるんだけども……。
 そしてイベント後。本物のイゴールがそのまま喋りだしてさらに心臓が口から飛び出る。これ、前作までと同じ音声? どうやってこの声を……。このためだけにスタッフロールを目を皿のようにして見続けたけど、田の中さんの名前がクレジットされているところだけしか確認できなかった。肝心なところを助手に喋らせたあたり、やっぱり前作までの音声を流用したのかもしれないが……。