ゲーマーズ・フィールド別冊33 特集 今から始めるトーキョーN◎VA
- 作者:田中信二
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: おもちゃ&ホビー
さて、先日発売前にチラッと触れたゲーマーズ・フィールド別冊のトーキョーN◎VA特集号を読んだ。
うーん……なんというか、感想を書くのが難しい……。
今まで再三書いているとおり、一番知りたかったことは「サイバーパンクというジャンルが『時代遅れ』になってしまう時代に、トーキョーN◎VAというTRPGはどっちへ向かっていくのか」という点、だったんだけど。
本書の冒頭には「テクノロジーがちょっと進んだ現代の延長」であり「現代とあまり変わらない」と明記されている。
もちろん本文中では、例えばインタビューでも「時代の流れるのが早すぎるのでN◎VA・Dの後半5年間では時間の流れを止めた(それまではリアルタイムに時間が流れていた)」とか「1クリスの容量がどんどん時代遅れになっていくので明記するのをやめた」とか、個々に対応した事例は書かれているから、サイバーパンクというジャンルが持っている課題そのものは、意識されてるんだろうけど……。今後も部分的に時代遅れになっていく部分を補正しつつ、レトロフューチャーチックな世界観で行く、ということなんだろうか。
まぁ、よくよく考えてみれば、タイトルどおり「今からN◎VAを始めること」に主眼を置くなら、サイバーパンクというジャンルそのものの説明云々なんて二の次なのは当然なのかもしれない。あとは、私自身の読み取り能力が足りてないだけという可能性も……。*1
あとは、インタビューを読んでいて面白かった部分を箇条書きで。
・最初にトランプを判定に使ったゲームはN◎VAではない(パラダイスフリートのことだろうか)。
・神業が生まれたのは、1stで「特技をいろいろ組み合わせたら相手が何もできずに死ぬが、これでいいか」と何度も聞かれたのがきっかけ(笑)。
・N◎VA・Xは初の5刷まで行った。
・N◎VAはPCが何なのか一言で説明できない(刻まれし者とか、オーヴァードだとか)今では珍しいゲーム。
あとは、今回は巻末の質疑応答もなかなか興味深かった。質疑応答が興味深いってレボリューションの頃を思い出すな(遠い目)。
Q.CD(時代遅れ)って、なんでCDっていうのですか?
この質問に対する答えが、冒頭が「CDというニューロタングのどこが面白いか説明しますと〜」から始まってて、笑いをこらえるのが大変だった。社長じゃないけど、まさかCDが時代遅れになる時代が来るとは。というより、それまでN◎VAが続くとはなぁ……。
Q.公衆DAKってなんですか?
これも愕然とするよね。前にネットで「昔の雑誌を見てたんですけど、テレカ全員プレゼントってなんですか? トレカの誤植?」というのを見た時と同じショック。つまり「公衆電話を知らない」ってことだもんなぁ……。
未だに「軌道」も「月面」も人類の住居にならず、サイバーウェアも一般実用化には至っていないけれど、情報通信技術だけは本当に、サイバーパンクが予想すらしなかった領域まで進化してしまった(A.I.を除く)。
さて、掲載リプレイの「さらば、青き光」についてはまた別のエントリで。