獣は死んだ

けものフレンズ公式より『けものフレンズ』の映像化プロジェクトに関する報告が発表 「ヤオヨロズ株式会社より辞退したい旨の話を受け検討中」


 まぁ、予測された反応ではあるけど、組織としての保身に走ったか。話題になって半年でキャンディキャンディ状態だなんて、組織内力学は相当悲惨な状況と見える。
 しかし、ガイドブック6巻で吉崎氏がプロジェクト立ち上げにあたって細心の注意を払ったと書いていたことが、今となっては皮肉にしか聞こえない。まさかこれだけ人気の出たコンテンツを、たった一晩で瓦礫の山にしてしまうとは。動物が元ネタなら、艦船や軍人をモチーフにした作品より荒れないだろうと思っていた自分が浅墓だった。艦これの時にも思っていたが、売れるとハゲタカが寄ってくる。今回はいささか性質の悪いハゲタカだったようだ。そのハゲタカも、廃墟からどうやって逃げだすか算段を始めていることだろう。

 けものフレンズのIPもプロジェクトも、たつき監督のものではない。私たちはアニメ1期と監督のサクセスストーリーという夢を見せてもらったが、その夢は終わった。監督を切ることで功績も丸ごと消滅し、プロジェクトは彼が蘇らせる前の廃墟に戻る。それが本来の形なのかもしれない。巻き込まれた周囲の方々には心底ご同情申し上げる。

 いずれにしても、角川というコンテンツホルダーが、自社サイトで最高の再生数を誇るドル箱コンテンツを、自分の手でゴミ箱に投げ捨てたやらかし案件として、今日という日は何年も語り継がれるだろう。