人が殺せるルールブック


 ハードカバーではないが、国産TRPGでB5サイズで400ページ超は近年珍しいのではないだろうか。
 このサプリメントの位置付けは、後書きで菊池氏が言及しているとおり「改訂版基本ルールブックに対応したスキルガイド」である。基本、上級はもちろん、運命クラスや称号クラス、地方クラスまでサポートしている。逆に言えば、それだけサポートするとこの厚さになる、ということだ……。
 イメージとしては、かつてのD&D4thのエンサイクロペディアに似ている。背景設定の説明はほぼ皆無に近く、ルールについてもスキルに関する部分しかないので、例えばアルディオンやアースランをこの一冊で理解することはできない。既にワールドガイドを熟読していて、ゲーム中にはスキルの効果だけを参照したい、というGM及びプレイヤー向けのサプリメントである。といっても、私が見る限り、新ルールがまったくないわけでもないように見える。各地方ごとの称号クラスは、多分初出ではないだろうか?
 この厚みこそ、アリアンロッドというゲームが刻んできた歴史の厚みなのだろう。