アニメタイアップ企画

 まさか、ハクメイとミコチの関連書籍が二冊同時に出るなどという日が来ようとは……。
 


 前巻と一緒で、懐かしの登場人物総登場、総集編っぽく見えたけど、二回続けてってことは、多分そういう意味ではないんだろう(笑)。
 今回登場した「ひたすら上へ上へと上がっていく街」は、別作者だけどパラダイスブランチのヘヴン市っぽくて好き。蜂蜜館は平面方向か地下かどっちかだったから。ただ、立体構造の町を俯瞰で描く視点での描写はなくて、残念。もっとも、カフウみたいな鳥に乗るシーンでもない限り、描きようがない気もする。それに、あれは佐藤明機さんの世界ならではなのかもしれない。



 アニメ化にありがちなガイドブックだけど、キャラクターと同じくらい世界設定に主眼が置かれた本だったのには驚いた。とはいえ、いかにもハクメイとミコチという作品らしいといえばそうかもしれない。登場人物の元ネタになった動物はともかく、地図や国家の設定まで明かされるとは思わなかった。こちらには例によって「9センチの小人」の記述があるので、原作と同時にアニメ準拠なのだろう。
 個人的には、20年前だったらこの世界を舞台にTRPGのセッションをやってみたいと思っただろう。今? 今は「作品として魅力ある世界設定」より「TRPG用にチューンされた世界設定」の方が面白いセッションができると知ってしまったから……。
 むしろ「どきどきポヤッチオ」のような一人用のコンピュータゲームとしてなら、この世界を追体験したいという願望はあるかも。