第二弾見て参りました


 前作に引き続き、咲実写化プロジェクト第2弾を見て参りました。


(以下ネタバレあり)













・池袋シネマロサ等の小規模上映から新宿バルト9を含む大規模上映へ。予約の時点ではあまり席が埋まってなくて大丈夫かと思ったけど、最終的には3分の2以上埋まってたように見えた。


・上映前に、あの宮永照の配役が前作の宮永咲と同じと聞いて驚愕。


・原作でいうと2巻(正確には1巻ラスト)から最終巻までが映像化されている。公開時間120分!? と思ったけど、前作がほぼ県大会決勝のみなのに比べて、全国大会準々決勝と準決勝が範囲なので、これでも時間的にはキツい。


・一番割を食ったのは松実玄じゃないだろうか。原作2巻の前半にあるドラゴンロード無双が15秒ほどしか描写されないので、後の活躍は千里山にボコボコにされるシーンと白糸台にボコボコにされるシーンがほとんどだ。いや、それがクロチャーの見せ場だというのであれば、ある意味製作者も分かってるということになるが……(笑)。


・準々決勝。先鋒戦の怜の先読み描写が抑え気味なのは原作どおり。一番気になってたのは大将戦・安福莉子(劔谷高校)の「いけるよね……」からの絶望顔だったんだけど、残念ながらここは再現されていなかった(絶望顔はしてたけど台詞がなかった)。「絶望というものには鮮度が(以下略)」


・あと、解説者とアナウンサーが準々決勝から準決勝に継続している関係で最初から小鍛冶プロが解説している形になり、「わっかんねー、ぜんぜんわっかんねー」の人の出番がない(笑)。


・そして準決勝先鋒戦。宮永照は牌に愛された子ならぬ、スタッフに愛された子とでもいうべきか。配役だけでなく、演出その他諸々もだ。東1局の「照魔鏡」が、恐らく本作で一番金と手間がかかっているんじゃないだろうか。しかし、実写で巨大な鏡がいきなり現れる演出はシュールこの上ない(笑)。


・照は原作同様残り三人を蹂躙しまくる。原作だと照の手のギュルギュル竜巻は、あくまでもイメージ画像っぽい演出なんだけど、実写版だと机の上の鉛筆が動いたり観戦者のスカートがはためいたりするので、完全に物理的な現象になっている(笑)。


・怜の先読み描写も、準決勝では特撮がバリバリ使われてわかりやすくなる。しかし、これはキャスティングの問題なんだろうけど、原作では同卓で一番童顔に見えた怜が、実写では一番年上に見える……(笑)。


・すばらさんは最初なんかイメージと違ってる気がしてたものの、動いてるのを見たらちゃんとすばらさんだった。しかし、前作もそうだったけど、実写で普通にすばらと怜のやり取りを見せられると「お前ら明らかにコンビ打ちしてるじゃねーか!(by照)」って印象がより強くなる(笑)。


・次鋒戦。ここの演出も気にかかっていた。あのネットで有名なシャープシューターの「は……?」がどう描写されるのか。結果的には、アーチェリー場で普通に的を撃つ描写に。そりゃまあ、あれで本当に対戦相手射撃してたらR-18G映画になっちゃうからな……。


・原作の時にも思ったが、能力描写が地味だから目立たないものの、松実姉は妹の失点を確実に取り返し、しかも自分がやられている描写がほとんどない、阿知賀の守護神なんだよな……。もちろん、敵の次鋒にエースが少ないというのもあるが。


・中堅戦。ハーヴェストの演出は、照魔鏡に比べれば地味だった(それでも画面一面金色だが……)。「なんもかんも政治が悪い」はちゃんと再現されていた。が、タイミングは何故か試合後に。あと感じたことは総評で。


・副将戦。リザベーションの演出が、受けた側にも痣が浮き上がる演出になっていて、純粋に痛そう(笑)。逆に、この局ではリザベーションがあるせいか、亦野のフィッシャーが演出なし、言及なしになっていた。


・大将戦。淡の場を支配する能力は、衣ほどは大袈裟な演出にはなっていなかった。あとは総評で。


・というわけで、総評。前作同様、原作を再現しようと頑張ったのはよくわかった。後、前作に比べて予算が増えたっぽいのもわかった。なので、全体的な印象も前作と似ている。つまり、原作に忠実に実写化した分、原作で絵柄の可愛さやコミカルな小ネタに救われている部分が、正面からの直球表現になっている。


・しかし、前作でいうところの衣のような「得体の知れない強さ」がオブラートに包まずに表に出るキャラというのが、阿知賀編だと元々少ない。照は前作主人公だけあってルックスに華があるから、可愛さが先に立って怖さや不気味さは少ないし、淡では迫力が足りない。むしろ、今作だと小鍛冶プロがその立ち位置だったような気がする。


・鑑賞後先輩と話していて、一つ気になったのが、スコアボードをテロップ表示する回数が少なく、ほぼそれぞれの対戦者が登場する瞬間のスコアしか画面に表示されなかったことだった。これによって何が起きるかというと、観客から見た感覚と実際の点差が激しくずれるのだ。


・白糸台は5人中4人に能力描写があり(原作だと5人ともある)、対する千里山は先鋒と大将のみ、新道寺も副将と大将のみしか能力描写がないため、雰囲気的には白糸台が終始他校を圧倒しているように見えてしまうが、実際には白糸台は次鋒から副将まで大量失点している。ところが、スコアボードが出ないので、照が稼いだ13万点がいつの間に消えたのか感覚的に理解しにくい。もちろん原作を読んでいれば流れは分かるし、原作読んでない人がこれを観に来るかといえば可能性は低いだろうが……。


・とりあえず私は、原作全巻と咲日和全巻を読み直している。忘れているエピソードが結構多かった……。