驚愕のラスト


 最初は「スーパーファミコンの拡大縮小機能を生かすためにこういうゲームを作ったんだろうな~」程度に思ってたのに、ラストの展開で吹いた(笑)。

方向性が違う

togetter.com


 前に、FF7リメイクはミッドガル脱出までという発表があった時にも、完結まで何年かかるかわからないとか、何作で終わるのかわからないとか、様々な論議を呼んでいた。ここで発売日延期のニュースがあり、それが再燃しているが、個人的には別の点が気になっている。

 私は、遊んでいた当時はFF7が結構好きだった。プリレンダリングの美麗な背景グラフィックとか、ストーリーとか、好きな点は色々あったものの、ではFF7で一番「衝撃」を受けた部分はどこかというと、ストーリーでもグラフィックでもない。


 「ミッドガルを脱出した瞬間」だ。
 あの「あれだけ広く感じたミッドガルが、実は遥かに広大な世界の極々一部に過ぎなかった」ということを知った瞬間こそが、最大の衝撃だった。


 しかしリメイク版は、キャラクター造形をリアルにしたオープンワールド式のアクションRPGだ。するとどうなるか。あの衝撃はリメイク版では決して味わえないことになる。なぜなら、この形式のオープンワールドアクションRPGは、フィールドマップやキャラクターの大きさをディフォルメできないからだ。ミッドガルを出た瞬間、広大なフィールドが広がっているかのように感じられたのは、ミッドガル内とミッドガルの外でマップ縮尺を変えるという「錯覚」が生み出したものだ。FF8の「プリレンダムービーからシームレスに操作画面に移る演出」もそうだが、あの頃のスクエニの演出はある意味神がかっていた。しかし、オープンワールド式のアクションRPGにしてしまっては同様のテクニックが使えない。
 そもそも、ミッドガル脱出までを1本のゲームにするということは、脱出する前と後は「別のゲーム」だ。ストーリーは分断される。あの意外性はストーリーが連続しているからこそ生まれたものであり、「ミッドガルの中」と「ミッドガルの外」が違うゲームになってしまったら、衝撃も何もない。

 そして最大の問題は、今回のリメイク1で描写されるミッドガルの大きさに合わせ、原作通りの縮尺で次作以降を作ったら、とてつもない広さのフィールドと、それを表現するための膨大な量のデータが必要になってしまうということだ。この開発規模に耐えられるのは、海外の超大型制作スタジオくらいだろう。しかしフィールドを狭くしてしまえば、しょぼく見えるか、原作からかけ離れて見えるかどちらかだ。
 最初からFF7リメイクを、ミンストレルサガのようなディフォルメしたキャラクターで、普通のRPGとして作っていれば、こんな危惧は不要だっただろう。描写をリアルにすればするほど、嘘は嘘っぽくなり、「感動」を形作る演出としての「嘘」が吐きづらくなる。
 ミッドガルは閉鎖空間なので、今回のような作り方をするのはある意味で簡単だ。問題は次だ。これは全くの私の邪推であり穿った見方だが、FF7リメイクの2以降の話が一切出てこないのは、この辺りを解決する手段をスクエニ自身が見いだせていないからではないのか。

 だから私は「FF7リメイクがこんなに凄い」という宣伝を見かけるたびに、暗澹たる気分になる。どうしても、その「次」に待っている失望か絶望のどちらかのことを考えてしまうのだ。