完全に犯行予告で草


 10年以上前、菊池真の「ポジション確認」に始まって、ビリーバンバンの「薄紅」まで至ったメカPが言うと説得力あるわ……(笑)。



 ただ、実は「ポジション確認」の頃のニコマスは、既存の楽曲に編集した動画を載せる方が主流で、楽曲を編集して既存の動画に載せる、いわゆる人力ボカロは比較的新しいムーブメント。10年前からそれをやっていたメカPは、その草分け存在だと思っている。最近だとゆかさえのya-maPとかがその後継っぽい。
 それだけに、替え歌の方がインパクトが強くて、原曲の印象を打ち消してしまうような作品なんて──



 ──あったわ。っていうかこれもメカPじゃねーか!(笑)

もう一人のコロコロ少年(34)・「リアルすぎたゲーム」

 昨日のスライムのエントリ繫がりで。



 ファイティングファンタジーシリーズで次に翻訳されるのが、上記の「植物図鑑」だそうだ。植物系のモンスターと、薬草師などいくつかの職業を紹介するサプリメントらしい。今回は、この間の「火吹き山再び」とは違い、本当に買う予定はない。
 スライムもそうだが、植物系のモンスターはシナリオ上の扱いが難しい。ブレカナでいう「エント」のような、知性を持つ植物の種族が登場するならともかく、通常の植物系モンスターは機械的な反応しか示さないので、半ばトラップのような扱いしかできないから──というのも、もちろんある。
 ただ、私にとってはもう一つ別の理由がある。「薬草をフィーチャーしたゲーム」にいい思い出がないのだ。奇しくも、かつてファイティングファンタジーを世に出していたのと同じ、社会思想社のゲームである。

GMするのが罰ゲーム?


 このタイトルの存在を今も知っている人は少ないかもしれない。このゲームはTRPGではあるが、厳密にはファンタジーTRPGと呼べるかは疑問だ。というのも、このゲームは「リアルな16世紀のイギリスで旅人を演じるためのゲーム」だからだ。モンスターも出てこない。魔法は登場するが「現実で起こり得ることの可能性を操作する」ことしかできない。例えば、襲ってきた暗殺者が心臓発作を起こすとか、階段を踏み外すとか、そういうレベルだ。
 ルールブックには16世紀のイギリスについて、情勢の説明が4ページあるだけで、地図も、都市の一覧もない。ソロシナリオとサンプルシナリオはあったが、これを読んだ当時の仲間たちはなおさら混乱した。どこで盛り上がるのかさっぱりわからないのだ。
 特に「混沌の渦」は、戦闘のリスクが非常に大きいゲームで、剣の殺傷力が最大30なのに、1点の負傷を治すのに「ベッドに寝たきりで一週間」かかる。普通に生活すると一カ月だ。このゲームに聖職者は登場するが、けがを治す能力はないときっぱり明記されている。魔法使いにもできない。寝込んでいるしかないのだ。唯一盛り上がりそうな戦闘がこの状況である。

 そして、このゲームで40ページ(つまり世界設定の10倍)の紙幅を費やし掲載されていたのが「薬草」のルールだった。普通のファンタジーRPGの魔法リストの代わりに薬草のリストが載っているようなものだ。しかし──その効果は、例えば「酒を飲む前に噛むと酔わなくなる」のようなもので、データ的に劇的な効果を及ぼすものはない。もちろんドラクエのように、服用した瞬間に傷が回復するようなものも皆無だ。

 イギリス人なら、16世紀のイギリスを舞台にしたシナリオを作るのは苦ではないのかもしれない。しかし、私たちにはハードルが高すぎた。しかも、どこで盛り上がるのかわからない。ソードワールドRPGルールブック発売前の、TRPGに飢えていた頃の私たちですら、さすがにこのゲームはギブアップだった。
 その後、このゲームは仲間内でこう称されるようになった。「罰ゲームでなければやりたくないRPGトップ3の一つ」と。ちなみにあとの二つは、男性プレイヤーが女性キャラクターを演じて男性NPCを奪い合うという地獄絵図が待つ「MAGIUS天地無用」と、やはり何をすればいいかわからないゲームだった「学園ぱらだいす」である。