「既製品のキャンペーンシナリオを持ち回りで」となるとさすがに経験がないけれど、GM持ち回りでセッションする、というのであれば、近いことは経験があり、過去にこのブログでも書いたことがある。
1つがトーキョーNOVAのオンリーコンでの出来事だ。4、5人のルーラーが、同時に同じ場所で、同じシナリオでセッションを行うイベントで、さらにプレイベントのような機会が用意されていた。シナリオ作成者自身がルーラーとなり、コンベンション当日のルーラー候補者をプレイヤーとしてセッションを行うのだ。プレイヤーとしてシナリオを体験してもらい、プレイする上での注意点などを作成者自身が伝達した後、コンベンション当日に臨むわけである。
私自身は、そのイベントでルーラー候補になったことは一度しかなかったけれど、プレイヤーとしての視点とシナリオ作成者側からの視点というのがいかに違うのかというのを知るという意味で、貴重な体験だった。厳密には持ち回りとは少し違うかもしれないが、普通のプレイグループだと、なかなかこういう機会もないのではないだろうか。
もう1つが、GMを持ち回りでやっていた学生時代のプレイグループのキャンペーンである。もちろん既製品のシナリオではない。むしろ、GMを持ち回りでやっていたのは、全員自作シナリオを他のプレイヤーに遊んでもらいたかったからだったので、PCが共通というだけで、シナリオ自体はGMごとにバラバラだった。
どのように持ち回りしていたかというと、GMごとに舞台となる大陸の担当国が決まっていて、あるプレイヤーがGMをやることが決まると、シナリオの冒頭でPC達はそのプレイヤーの担当国を訪ねるシーンから始まる。シナリオが終わると、その国を後にして旅立つシーンで終わる。プレイヤーの1人が現代ものを強烈に推し始めるまでは、これはこれで回っていた。
ただ、GMの担当ローテーションによっては、低レベルのPCが、大陸の端から端のような超長距離を何事もなく短期間で移動できてしまうということが起きていた。とはいえ、当時ワイルダネスアドベンチャーやランダムエンカウントのルールがあったのは、ダンジョンズアンドドラゴンズくらいしかなかったのだが。
ちなみに、動画で言われている「ゲームをやっている間、GM自身の持ちキャラクターが何をしているか」や経験値格差については、プレイグループではあまり問題にはならなかった。そもそも当時のキャンペーンでは、1人のプレイヤーが複数キャラクターを持っていて、とっかえひっかえ登場することも珍しくなかった。1回や2回プレイヤーとしてセッションを欠席することになったとしても、違和感がない。
逆に問題になっていたのは、GMとしてセッションに参加していたため自分のPCが知らないはずの情報について語ってしまうこと、つまりプレイヤー知識とPC知識が混乱してしまうということはままあった。これに関しては、最後はもう皆開き直っていたが……。
このGM持ち回りには実はもう一つ特徴があった。プレイヤーによって持っているルールブックが違ったので、GMが変わるとルールシステムが変わってしまうこともあったのだ。WARPSが高くて買えないGMが、ロードス島戦記のシステムを使う、等々。そんな時でも、既存PCのパーソナリティをそのまま流用することがほとんどだった。つまり、同じPCのはずなのに、複数のゲームシステムのデータを持っているキャラがザラにいたのである。ゲームシステムが変われば、できることも全然変わるはずなのに。よく考えるとなかなかすごい環境だったものの、プレイヤーは誰もが笑いながら受け入れていた。
しかし今から考えると、このごった煮の世界観を一番再現できるゲームは当時だと「TORG」だったような気もする。あの複雑なルールには、プレイヤーの大半がどうしてもついてこれなかったのだけれども……。


