表通りから視界の通る場所を観察していると、ハッキング可能な警備員と一般人が入り混じってたむろしている場所だな、とは思っていたが、刑務所だったのか。外からの侵入については何度か挑戦して諦めていたので、動画のような方法があるとは思いつかなかった。
というか、実はこんな時も「サイバーサイコシス」プログラムが役に立ってしまう。射線が通らず直接ハッキングが不可能な相手でも、サイバーサイコシスを発症させて放っておくと、他の敵と同士討ちして勝手に死んでくれるので、施設内の敵は軒並み倒せてしまうのだ。だから相手が何者なのかはあまり気にしていなかった。外にやたら警官が多いから、なんか妙な施設だなとは思っていたんだが……。
しかしそうなると、ハッキング可能な警備員は恐らく「看守」だろう。ということは、ハッキングできない一般人が「囚人」ということになる。……ギャングは収監される前はハッキング可能で、賞金首で、Vから見るといつでも殺せる相手だが、逮捕された瞬間から賞金が消えて一般人になり、ハッキングできなくなるということか……当然のことなんだけどなんだか不思議な感じだ。