服はピチピチじゃない

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 高千穂氏がいつのことを指して「昔」と言っているかわからないけど、既にソルビアンカバブルガムクライシスの時代には、SFでも普段着は(その時代の)普通の服と変わらなかった。というか、自身の作品であるダーティペアのアニメ版のユリとケイも、アニメ版では普段着は普通の服を着ていた。
 そう考えると、結局SFらしさが一番出るのはガジェットの類だと思っている。例えばアップルシードのアニメ版だと、バイオロイド技術(生体工学)は現代地球でも及ばないほど高度だけど、端末はスマホどころかデカいラップトップPC(それも机に備え付けの)を使っていて、(製作時には存在したはずの)ノートPCすら描写されていない。
 そんなわけでこの間書いたとおり、未来的なガジェットが出てくる作品で私がパッと思いつくのは、空間にディスプレイを投影する「ウィンドウボール」が登場する機動戦艦ナデシコと、やはり実体の存在しないノートPCを投影(召喚?)する天地無用……くらいだろうか。
 特に天地無用は、美星が所属するギャラクシーポリスのガジェット類は昔懐かしいSF風、鷲羽(魎呼)のガジェットは生物風、あるいは魔法と見紛う超技術、阿重霞(樹雷)の使うガジェットは植物を用いた独特の技術、という、登場人物の所属組織によってSFとしての世界観そのものが異なるというなかなか興味深い設定だったんだけど、その辺が掘り下げられることはあまりないまま、作品としては違う方向に進んでいったという印象だった。