モーションはオンリーワン


 叡智かどうかは別にしても、このピッコロの玉座……武器の性能を見る限り、それほど食指は動かなかったんだけど、この動画を見ていて気付いたことがある。主人公が「座る動作」をする武器というのは他にないので、座った状態の自キャラでAR撮影をしたいと思ったら、性能度外視でこの武器を狙うしかないのか……。

7つの機種の7つの物語


 このところ色々なレトロゲームを取り上げてきた流れで、今回はディーヴァ(DAIVA)というゲームをについて書こうと思う。
 このゲーム、知る人ぞ知るというより、発売当時は非常に有名なゲームだった。7つの機種で発売されたのだが、他のゲームのように「同じゲームを色々な機種に移植した」というのではなく、基本的なゲームシステムはほぼ同じなものの、7つの機種でそれぞれ主人公が異なり、全く別のストーリーが展開する。
 しかも、それぞれのストーリーが完全に独立しているのではなく、登場人物などが互いに関わり合う、一種の群像劇になっている。どれか1つの機種でストーリーをクリアするだけでは足りず、すべての機種をクリアしないとストーリーの全容が掴めない(それも、最後に発売された9801版の主人公が最も大きなカギを握っている)という壮大なゲームだった。
 今とは違い、パソコン本体の値段も高かった時代である。幸運だったのはMSX2を持っているプレイヤーで、下位互換性を持つMSX1版も同時にプレイすることができた。あとはこれは希少な例だと思うが、98DOを持っているプレイヤーがいたら8801版と9801版のストーリーを一台で追うことができたかもしれない。
 しかし残りの機種については、一種の本体につき、1つのストーリーしか追うことができない。当時全ての対応機種を揃えるとしたら、200万円以上かかったはずだ。
 そんなわけで、当時全てのストーリーを追うことができた人間はほとんどいなかったのではないだろうか。その後プロジェクトEGGでコンプリートエディションが発売されたが、これも動画として取り上げている例はなかなか見つからなかった。
 一番多く見つかるのはファミコン版「ナーサティアの玉座」である。これはプレイする環境も一番ハードルが低く、SWITCHのニンテンドーオンラインにあるファミコンアーカイブに存在するので、現行機種でも普通にプレイができる。しかし、この機種はクリアしてもエンディングがスタッフロールしかなく、ストーリーに関する説明はほとんどないまま終わってしまうようだ。



 そんなわけで他を探していたが、ようやく見つけたのがMSX2版。



 このエンディングを見て思ったが、MSX2版の主人公や彼を取り巻く独自のストーリーに関する言及はほとんどない。9801版を除く他の主人公で流れても違和感のない内容なので、まさかとは思うが、他機種版をクリアしても、ほぼ同じエンディングが流れるだけなんてことは……?
 しかし、それを自力で確認するには、現状ではハードルが高すぎる。ソフトどころか本体すら入手困難な元機種版は言うに及ばず、コンプリートエディションすら現行機種では起動できない上に、入手も困難なのだ……。