今回の動画については、ブログで書きたいことが結構あるのだが、まずは分かりやすくて書きやすいところから始めよう。
社長自身も語っているとおり、FEARのゲームはコンストラクション性が高く、同じ経験点を使っていても、PC同士の強さが大きくかけ離れることがある。私のプレイグループだと、同じグループの中でゲームに非常に慣れているプレイヤーとそうでないプレイヤーで、同じキャンペーンに参加し同じ経験値を使っていても、戦闘能力が2倍から3倍違うことがザラだった。
さらに、これはゲームの側の問題ではなく私の自身の問題として、昔からTRPGの戦闘バランスを取るのが非常に苦手だった。数学的なセンスが恐らくないのだろう。
トーキョーNOVAの自作シナリオの戦闘バランスについて
そんなわけで戦闘バランスについてはプレイヤーにも色々迷惑をかけたと思うが、ほぼ唯一、キャンペーンの中で賛否が分かれ、しかも私も意見を譲らなかった部分が社長の意見と被っていて、思わず苦笑いしてしまった。
実は、動画で言われている公式シナリオのバランスと同様、私が作るトーキョーNOVAのシナリオでは、想定される最適な方法で神業を使用すると、全ての神業を使用したところで戦闘が終わるようにしていた。つまり特殊技能などを駆使した通常の戦闘ターンは発生しない。*1
ただし、この最適な使い方というのは文字通りノーヒントなので、今までブログの中で散々嫌いだと書いてきたルーラーの脳内当てゲームになる。これは意図的にそうしていた。本来は通常の戦闘ラウンドが発生するのが当たり前だ。それ無しで戦闘のカタが着くのは、いわばボーナスだ。また、仮にこの脳内当てに失敗しても、リサーチフェイズの情報収集と違い、セッションが行き詰まることはない。通常の戦闘に入るだけだ。なので、この部分のみルーラーの意図を汲んでもらう部分を残し、後はできるだけ脳内当ての要素を排除してシナリオを作っていた。
そして賛否分かれたのもこの部分だ。脳内当ての部分について反対が多かったのではなく、その逆だ。「せっかくガチガチにキャストを作ったのだから、データを使って戦闘をさせて欲しい」というのが、プレイヤーの要望だった。私自身そういうキャストを作るので、気持ちはわかるし、逆の立場になった時残念に思う部分もあるが、私自身が問題にしていたのは、上で述べたようにセッショングループ内でのゲームへの熟練度に大きな幅があったことだった。ガチガチにキャストを作れるのはプレイグループ内の数名で、他のプレイヤーはそうではない。従って、普通に特殊技能を使った戦闘ラウンドに入ってしまうと、活躍できる場面に大きな差が出てしまう。
プレイヤーの選択によっては、そういった活躍に差が出ないように、神業の回数だけ、きっちり活躍できるシーンを平等に約束できる可能性を残す、というのが私のシナリオの目標だった。
そして、これは当時プレイヤーに言わなかった、もう1つ大きな要素がある。神業の打ち合いで戦闘が終わると、セッション時間をかなり短く切り上げることができるのだ。*2
ただ、これを前面に押し出してしまうと、真面目にキャストを組む意味がなくなってしまう。そういった意味で、最適解を選べるのは2回に1回程度で、*3実際にはなんだかんだで普通の戦闘に入らざるを得なくなるようにバランスを取るようにしていた。もしかしたら、公式シナリオを何度かプレイしていたので、無意識で似たようなバランスを目指していたかもしれない。
もちろんこれは私がたまたまそういうやり方をしていたというだけで、これが絶対の正解という訳ではないが。