レベル上げは一日で……


 折角のリウォークイベントだけど、エイトたちのレベル上げはメタ袋を使えば一日で終わってしまうんだよな……。メインパーティのレベル上げをしたいので、そのことはむしろ有難いのだが。
 かといって、錬金にハマるかというと、ここで得たアイテムはイベントが終わったら残らないことが明らかなので、今一つモチベが……。調合の時は、調合したモンスターの心はイベントが終わっても全部残る仕様だったからやる気が出たけども。

偉大なる宝物庫……ではない

 このところ、ソードワールドサプリメントを色々眺めていて、ふと思ったことがある。「SW2.5をプレイしている人のなかでは、一体どのサプリメントが人気なのだろうか」。これだけたくさん発売されているサプリメントを、全てのプレイヤーが全部網羅してセッションに臨んでいるとも思えない。
 ネットで色々調べたところ、比較的評価が高く「初心者はまずこれから買うべき」とお勧めされていたのが、「エピックトレジャリー」というサプリメントだった。ちなみに、私はタイトルを見て一発でスルーしたサプリメントである。理由は簡単で、「エピックトレジャリー」というのは、直訳すれば「偉大なる宝物庫」というような意味だから、セッション中に登場させるマジックアイテムのアイデア集のようなものではないかと思っていたからだ。それだと、私の中では優先度はかなり低い。



 ところが、お勧めに従って実際に読んでみると、このサプリメントは上記のタイトルにもかかわらず、追加の戦闘ルールや、冒険者技能ごとの社会的立場などの解説が記載された、いわゆる「冒険者ガイド」的な内容だった。正直、なぜこれをアイテム集に載せたかというのはよくわからない。個人的には、本来このデータが掲載されるのは「アウトロープロファイルブック」であるべきだった、と思っている。

冒険者の社会的立場は……?

 私はこれまで、ソードワールド冒険者について「PCたちは冒険者という社会的立場なので、冒険者技能のどれを持っているかによって、社会的立場は左右されない」という前提でエントリを書いてきた。もしかしたら、それを読んだソードワールドプレイヤーのなかには、「エピックトレジャリーにちゃんと書いてあるのに」と思っていた方もいたかもしれない。このサプリメントをスルーしていた私の知識が足りていなかった。
 しかし、それではエピックトレジャリーを読んで私の疑問が解消したかというと、解消しなかった。冒険者の社会的立場はあくまでも冒険者であって、冒険者技能に左右されない、というスタンスも全く変わることがなかった。理由は以下のとおりである。

 まず、エピックトレジャリーにある冒険者スキルの説明には、確かに「それぞれの冒険者スキルを持っているキャラクターが、一体どのような社会的立場にあるのか」という記述はある。しかし結局のところ、シナリオに登場するNPCは、PCを冒険者として依頼を持ってくることに変わりはない。例えば、忌避されがちなコンジャラーだからといって依頼が来なかったり、情報収集が不利になったりもしない。従って、本書に書かれている社会的立場とは、どちらかといえば「冒険者ギルド内での社会的立場」であって「ギルドの外からどう見られるか」という観点では適用しづらいのだ。私が「アウトロープロファイルブックに書くべきだった」と書いたのはこれが理由だ。PCの社会的立場が真に問題になるのは、冒険者ギルドという組織の庇護を得られなくなった時だからだ。

同レベルの技能が複数あったら?


 そして、SWは他のゲームでいうクラスをスキルとして扱っているため、社会的立場としては相反する、あるいは併用することがイメージしづらいスキルでも、制限なく取得することができてしまう。そんな場合のロールプレイに関するサジェストは書かれていない。書かれているのは、組み合わせて取得した時の性能的な面からのアドバイスだけだ。つまり、複数の冒険者技能を持っている場合、そのPCはどのような基準に基づいてロールプレイを行えば良いか、という基準は、本書においても存在していない。

 これはソードワールドに特有の問題だ。長所が欠点と裏腹になっている。PCの職業というものが明確に決まっているダンジョンズ&ドラゴンズや、現在・過去・未来という形で明確にロールプレイの指針が示されるブレイドオブアルカナ、そしてメインクラスという形でロールプレイの基軸がはっきりと設定されるアリアンロッドでは起こらない。
 レベルが最も高い冒険者技能を基準にロールプレイするべきだろうか? しかし、ソードワールドの場合、ファイター1レベル、スカウト1レベル、セージ1レベルのようなキャラクターも作れてしまう。
 あるいはこういった例はどうだろうか。忌避されがちなコンジャラー技能と、尊敬を受けるプリースト技能を兼務するPCがいて、はじめはコンジャラーがレベル2、プリーストがレベル1だったとする。最初のシナリオを終了してプリーストを2レベル上げ、次のシナリオを終了してコンジャラーを2レベル上げた場合、そのPCは「最初嫌われて、次は尊敬されて、また嫌われる」みたいな話になる。セッション毎にコンジャラーとしてのロールプレイとプリーストとしてのロールプレイを切り替えていくのも大変だろう。
 私がラクシアライフを高く評価したのは「一般技能は性能を目当てに複数取得していくような性質のものではない」というのが大きい。要するに、フレーバーとしてどれか一つ取ったらおしまい、みたいな使い方ができるので、ロールプレイの軸として使った場合、ブレなくて済むからなのだ。

隙自語

 余談で昔話になるが、実際に私がプレイする時はどうしていたかという話をしよう。といっても、そんなに高度なテクニックの話ではない。コンベンションでソードワールドをやることになった時は、同席するプレイヤーがPCの自己紹介をする際に「ところで、どれがメイン技能ですか?」と必ず聞くようにしていた。それによって、自分のPC(GMであればNPC)が相手のPCをどのように捉えてロールプレイするかというのが決まってくるからだ。
 機械的に、一番レベルの高い技能とか、装備から想起される技能をメインとは考えないようにしていた。ファイターレベル1、シャーマンレベル5のキャラクターであっても、プレイヤー自身が自分を戦士だと思っているなら戦士なのだ。そして、それをはっきりと言葉にして、セッションの場で共有することにこそ意味があると思っていたからだ。
 相手のプレイヤーがメインをどれと考えているのかさえ分かってしまえば、後は同じ世界観でクラスシステム制を採るロードス島戦記を参考にロールプレイすればいいだけだったので、難しくはなかった。もっとも、今の2.5は技能の数も多く、世界設定もかなり異なるので、もしプレイするとなったらどうするかというのは非常に悩ましいところだが……。