「隠すべき真実」はあるのか?


 昨日の動画の続きである。といっても、今日は昨日ほど長いエントリではない。動画の中の質問に出てくる「個人に仕えるクグツ」というのは、アリかナシかという話に関する、私の個人的な意見である。



 私は、動画の中で社長が語るような原理主義者ではない──少なくともそうではないように心がけている。プレイヤーの立場で、他のプレイヤーのキャラクターのスタイルに対して「そのスタイルは違うんじゃないの」と指摘したことはないし、今後もないだろう。
 ただし、ルーラーの立場となると話は別である。といっても「そのスタイルはイメージに合わないんじゃない」などという指摘はしない。前にも書いたとおり、トーキョーNOVAにおけるスタイルとは、社会的立場を表すと同時に能力を表すものであり、同時にそのキャラクターの属性や運命をも表すものだ。キャストを最も知っているのはプレイヤー自身であり「自分のキャストはこうだ」と思っているものを「それは違う」と指摘するのは確かに筋違いだ。ルーラーとして気にするのは、以下の点である。



 まず、それは「ペルソナ」つまり社会的立場を表すものなのかどうか。そうだとしたら、少なくともハンドアウトを受け取るという点については受け入れてもらうという話はする。例に挙がっているケースだと「自分は稲垣司政官個人に仕えるクグツなので、NOVA行政府に対しての依頼については受けないよ」とプレイヤーが主張するような場合には「もし、このオープニングを受けられないのなら、クグツはペルソナではなくてシャドウかキーにして、別のスタイルの導入で受けるように」と伝えるだろう。
 そしてもう1つは能力的な観点、つまり神業である。この質問を最初に見た時、純粋に疑問を持ったのは「メロディ個人に忠誠を誓うクグツ」というキャストは、一体どうやって神業を使うつもりなんだろう、というものだった。



 クグツの神業「完全偽装(アンダカヴァ)」は、自分が仕える組織に都合が悪い事実を隠蔽する能力だ。そして、うまく隠蔽することによって経験点を得る、というスタイルである。これは、忠誠の対象が千早重工だとか、あるいはイワサキだとか、本来クグツが想定している「企業工作員」という立場であれば、後ろ暗いところは無数にあるだろうから、それらの都合の悪い真実を押し隠して、自分の組織にメリットがある形で事件を終結させることで、経験値を得るチャンスは豊富にある。
 個人に使えるクグツであっても、稲垣司政官のように後ろ暗いところに事欠かない人間に忠誠を誓うというのであれば、確かに神業の使い道には困らないだろう。しかし、メロディのようなNPCに対して個人に忠誠を誓うというクグツを選んだ場合、果たして完全偽装で隠すべき事実は存在するのだろうか。
 そんな場合、ルーラー側が特別に神業の使い道を用意することはできない。「あえて捻ったキャストを作るのであれば、どういう場面で神業を有効に使うかというのは考えた上でセッションに参加してほしい」という話はするだろう。もし、「その分の経験点は完全に捨てるつもりだ」というなら、ルーラーとしては推奨しない。
 トーキョーNOVAというゲームは、神業をうまく使うことでセッションが回るように設計されたゲームだ。最初から「自分は神業についての経験値をもらうつもりはない」という姿勢でセッションに臨むのは望ましくない。逆にいえば、「自分はメロディ個人に仕えるクグツとして、『完全偽装』をどういう場面で使うかについては腹案を持った上でスタイルを貫ける」というのであれば、全く問題ないと思う。

 もちろん、ここまで書いてきたことは「もしコンベンションなどで該当するプレイヤーに遭遇した時、自分ならどういうプレイスタイルを取るか」という話であって、今円滑にプレイしているプレイグループについてどうこう言うつもりはないので、念のため。