ゲームギアってアクションとかシミュレーションじゃない普通のRPGが全然出てなかった記憶があるな……動画でいわれてるのはドラゴンクリスタルだけど、ローグライクも普通かって言われると微妙だし……ラストバイブルでほぼ最初って感じなのか。だとすると本体発売から3年半も経っている。
やっぱり初期タイトルでSAGAが出たゲームボーイは幸運だったし、スクウェアは凄かったってことなんだなぁ……。
ワープス(WARPS)に関する四方山話②
今日は、昨日のエントリの続きである。
SNEや後のFEARと、WARPS(ワープス)や「ダブルムーン伝説」等をデザインした「ORG」との最大の違いとは何か。引っ張るようなことでもないので結論から書くと、それは「リプレイが単行本として出版されたか、されなかったか」である。
雑誌でしか読めなかったリプレイ
ORGが、リプレイのことを軽視していたとは思わない。本国の展開では存在しない「ダンジョンズ&ドラゴンズのリプレイ」をオフィシャルD&Dマガジンに連載したという事実を考えても、ロードス島戦記に端を発する「リプレイ」というものがファンコミュニティに与える影響を、デザイナーたちは重々承知していたと思う。
しかし、恐らくは色々な事情があったのだと思うが、D&Dのガゼッタリプレイも、ワープスファンタジーのリプレイも、ダブルムーン伝説のリプレイも、単行本として出版されることはなかった。ワープスファンタジーであればマイコンベーシックマガジン(いわゆる「ベーマガ」)、ダブルムーン伝説であればマルカツPCエンジンの連載記事としてリプレイが掲載されたが、それは後に単行本としてまとめられることはなかったのだ。このため、後からリプレイの存在を知った身からすると、追いかけるハードルが極めて高かった。
もちろん、当時TRPG専門誌ではなく畑の違う雑誌にリプレイを掲載した意図はよくわかる。ロードス島戦記がそうであったように、TRPGを知らない層に存在を知ってもらい、プレイヤーを増やすためだろう。しかしそれはそれとして、リプレイが出版されなかったデメリットは大きいと私は思っている。
例えば、ダブルムーン伝説のルールブックは、冒頭のカラーページで「サモイレンコ」という悪役に紙幅を割いて紹介しているが、この人物がいったい何者なのか、ルールブックだけしか読んでいない人間にはさっぱりわからない。実のところ、これはリプレイシリーズの敵役だ。ルールブックには簡単な人物説明はあるが、リプレイのストーリーについてはルールブックには載っていないので、この人物と公式PC達にどのようなやり取りがあって、物語の結末がどのようになったのかについては、リアルタイムで連載を追っていた人間以外には不明のままだ。
リプレイはルール解釈の「見本」だった
そして、リプレイが出版されないということは、TRPGのルールのデザイン意図が明かされる機会も極めて限定されるということを意味する。「判断力」や「記憶力」の判定についても、もしかしたらリプレイのなかで、どのようにセッションで運用するか説明されていたかもしれないが、当時そこまでチェックするのは非常にハードルが高かった。
リプレイに限らず、ソード・ワールドには「ソード・ワールドQ&A」という、デザイナーのルール解釈についてのコラム記事をまとめた単行本があったし、FEARは専門誌以外のチャンネルでも自社のゲームのデザイン意図についてデザイナー自ら説明している。
しかしWARPSに限らず、ダブルムーン伝説も、他のゲームも、不幸にしてORGのルールについてはそういった機会が少なかった。だからSNEやFEARのそれに比べ、ルールのハンドリングについてはGMの推測に基づくところがどうしても多くなってしまう。先日の動画で「ワープスは先進的なゲームだった」という話があったが、また同時に、その先進性をデザイナーが説明する機会を、不運にして得られなかったゲームであるともいえる。*1
当時どういった事情があったのか、一プレイヤーのみでは推測すら難しい。考え方を変えれば、リプレイを出すことすら難しいゲームのルールブックが発売されただけでも幸運であり、関係者の努力の結果だったのだろう。
ダブルムーン伝説の続編のエピソードが象徴的だ。これは「新双月英雄伝ダブルムーン」という、コンプRPGに連載されたリプレイ記事だった。ところがこのゲーム、リプレイはおろか、ルールブックすら発売されないまま連載が終了してしまった。
リプレイの雰囲気を追う限り、どうも普通のファンタジーRPGからいわゆるサムライトルーパーのような鎧物の作品に路線変更しようとしていたようだが、TRPG専門誌「ログアウト」における「白狼伝」や「ジェイドキングダム」同様、これもまた「幻のルールブック」に終わってしまった一作である。
*1:なおこれについて、メインデザイナーの夭逝が原因であるという意見を見たことがあるが、私はそれは少なくともWARPSについては当てはまらないと思っている。というのも、WARPSのリプレイは彼が亡くなるよりずっと前に連載終了しているからだ。
