魔物への造詣


 ソードワールド2.5のサプリメント「モンストラスロア」の紹介ということで、半分昨日の続きのようなエントリである。

アビスブレイカーと対になるサプリメント?

 これを読んで、昨日紹介した「アビスブレイカー」のサプリメントと既視感を感じた。両方とも追加モンスターとそれに関わる設定の紹介が中心で、それらのモンスターに関わるクラス技能を2つずつ紹介するという構成がほぼ同じ。しかも紹介されているクラス技能も、片方が魔法戦士的な能力で、もう片方が魔法使いという構成がほぼ一緒なので、この2つのサプリメントは本当に一読しただけの印象で言わせてもらうと、表裏というか、対になるサプリのように見える。
 つまり、絶対悪である奈落の設定を取り込んだ形でキャンペーンをやりたい人は「アビスブレイカー」を採用した方がいいし、そうではなく、FEARゲームのような絶対悪を設定したキャンペーンはやる気がなく、単純に追加モンスターとそれに対応した技能が欲しいのであれば、「モンストラスロア」を採用する、と。
 で、昨日は「何故ダークハンターは投擲武器に対応しているのか」と書いたのだが、恐らく普通のソードワールドのGMは出版順どおり、「モンストラスロア」を読んでから「アビスブレイカー」を読むと思われる。すると、先に出たモンストラスロアで紹介されている「デーモンルーラー」が近接武器を使う魔法戦士的な技能なので、これと差別化するために「投擲武器を使う魔法戦士」になったんじゃないだろうか。
 もう1つ紹介されている魔法使い系技能に関しても、アビスゲイザーが奈落関連に有利な魔法なのに対して、ドルイドは特にそういった得意不得意がなく、一般的に使える魔法使いなので、普通のキャンペーンに取り込むならこっちの方がよさそうだ。
 その代わりサプリメント全体として見てみると、ドルイドもデーモンルーラーも使わないプレイヤーからすると、追加モンスターもGMにしか関係がないので、このサプリはほとんど関係ないという話になってしまう。またGMから見ると、もし「アビスブレイカー」が奈落関係のモンスターを紹介して技能を2つ追加するだけで終わってしまうと、「モンストラスロア」との差別化が図れない、あるいは言い方を変えると、モンストラスロアの後に、プレイヤーから要望が多そうな要素を追加するという意味で、魔域のランダム生成のルールを収録したのかもしれない。単純にモンスターの追加だけを何度も繰り返すよりは、GMのシナリオ作成の助けになるルールが載っている方が、GMとしてもありがたいだろうし、理に適っている。

旧作のシャーマンはフェアリーテイマーか? それともドルイドか?

 それでは、「モンストラスロア」に掲載されているドルイドとデーモンルーラーについてはどうかというと、個人的には扱いが難しいと感じた。強い弱いというのではなく、イメージの問題だ。
 ドルイドについては、旧作のシャーマンに近い感じがした。精霊の力を使って魔法を使う、という。ソードワールドが2.0になった時、旧作のシャーマンの要素はフェアリーテイマー技能に反映されたと思っていたんだけど、こうしてみるとイメージはドルイドに近く、能力はフェアリーテイマーに近いという感じなので、差別化するのがちょっと難しい、というのが正直な印象だった。「強化対象が特定のアイテムを持っていないと強化できない」とか、オリジナリティを出そうという方向性はあるんだけど、恐らく他のTRPGプレイヤーや旧作のプレイヤーに親和性があるのはむしろ追加されたドルイドの方で、旧作のシャーマン的な要素に近いのがドルイドなら、フェアリーテイマーはどうすれば……? という気分になった。

 デーモンルーラーについては輪をかけて扱いづらい。これはどう考えても表には出られない存在だと思うんだけど、いわゆるエピックトレジャリーで追記されていたクラス技能ごとの社会的立場に関する説明がないのだ(アビスブレイカーの二つの技能にはちゃんと記載がある)。