大画面の弊害?


 ついにiPadが発売されたと聞いて、どんなものか街の電気屋に見に行った帰りのことである。
 電気屋の目の前のファーストフードで昼食を取っていたら、近くのテーブルにおもむろに鞄からiPadを取り出した猛者がいた。さすがにMac屋の目の前のファーストフードだけに、私だけでなくiPadに興味を持った人がちらほらいて、傍にいた女性とか数人がそれとなくそちらに視線を向けた。

 どこかで「iPadはメモを取るのに便利」という記事を見た記憶があるが、その紳士はタッチパネルのソフトウェアキーボードを使おうと、本体を立てかけようとしたり両手で持とうとしたり、しばらくいろいろチャレンジしている様子だったけれども、途中で諦めてしまったようだ(テーブルがちょっと小さかったのかな)。

 次にその紳士は、たぶん自分の家のPCからマイピクチャフォルダの中身をコビーしていたのであろう。iPad特有の操作でスライドショーを見始めた。
 とたんに、恋人だか奥さんだかわからないが、妙齢の女性が飲み屋らしき場所? で凄い状態になっているっぽい写真とか、水着っぽい写真とかが次々に映し出されて、様子を窺っていた人は揃って慌てて目を背けた(誓っていうが一瞬しか見てないぞ!)。
 たぶんiPhoneの延長のつもりで操作してたんだろうけど、iPadは視野角が広くて液晶がクリアに明るいので、電車内とかで観始めたら多分近くの人間には丸見え状態になると思う。電子書籍とかならともかく……。そりゃ、他人の持ってる端末を見ている人間が悪いというのは重々承知しているが。

 で、よくよく考えたけど、iPadはもしかして持ち出すためのものじゃなくて、自宅で使うためのものなのかな、と。だってあの大画面で、出先で動画見れないしな……もちろん、出張先のホテルで使うとか、室内で使うことを前提とするならそれはそれでいいのかもしれない。