動いてる画面を見せてくれないと……


 待望の豪鬼だけど……動いてる画面を見てみないと何とも言えないんだよなぁ。

すごく大事なこと言ってる


 埋め込み部分の発言には同意。有名配信者の人たちなどがランプの魔人覚醒千里行の動画を上げまくっているから勘違いしがちだけど、これはあくまでも、公式自身の告知にあるとおり、エンドコンテンツ。つまり「ここを目指す」べきものであって、現段階で余裕で回れるっていうのは標準的じゃない人の話、と思っている。
 ちなみに私はあっさり返り討ちにされたので、現在ボーナスがかかっている上級職のレベル上げの続きをやっている。

ブレイドオブアルカナのシナリオの話(8)


 それでは、ここまでつらつらと述べてきた設定をシナリオの形にしてみよう。シナリオタイトルは「屍肉喰らいの夜 Dead Man's Eater」である。
 一応シナリオの体裁にはするものの、文字数の関係で公式シナリオのように長いテキストは用意できない点はご容赦願いたい。また、公式シナリオを同様サンプルキャラクターを使うこともできるが、推奨スタイルを提示するので、必ずしもサンプルキャラクターと同じ設定がなくてもセッションに参加することは可能である。

「屍肉喰らいの夜 Dead Man's Eater」

導入① 雄々しき聖騎士 推奨アルカナ「アダマス」
 たまたま訪れた領主から依頼を受ける。「領内の村で無差別の殺戮が頻発しているので、犯人を捕まえてほしい」という依頼である。必ずしも生け捕りにする必要はないことも伝えること。また、領主には妻と娘がいるが、娘の手の甲には聖痕が見える。依頼を受けるやいなや、衛兵が新たな事件が起きたと飛び込んでくる。


導入② 正義の巡回士 推奨アルカナ「レクス」
 賞金稼ぎギルドのリトルローズ・シャロンから賞金首を紹介される。もしGMがこのシナリオをキャンペーンとして遊ぶつもりがあるなら、賞金首は錬金術師である。単発シナリオとして遊ぶなら、賞金首は今回のシナリオの殺戮者「屍肉喰らい」である。


導入③ 不死の魔法使い 推奨アルカナ「アクシス
 ラバリアの町に住む旧友のアクシス、クラウスに呼ばれる。彼はこの街で起こっている虐殺事件の真相を探るため、PC3の助けを借りようとしている。


導入④ 剛腕の魔剣士 推奨アルカナ「なし」
 聖グラディウシア騎士団のマレーネジーベルから、ババリアの町で起きている虐殺事件を解決するように依頼が来る。


導入⑤ 高潔なる導き手 推奨アルカナ「ステラ」
 PC①を導く導き手として、旅に同行している。PC①と共に旅をしているシーンを導入シーンとすること。


 以下は展開ステージで順番に起こるイベントである。


シーン1
 導入①の続き。PC1が現場を訪れる。村人たちが男女を問わず殺されており、死体をハゲタカが啄んでいる。人々が殺されてからまだそれほど時間が経っていないようで、咽るような血の匂いが漂う。殺戮者の目を逃れたのか、かすかに息のある村人が1人いるが、PC達に「子供が……」と言い残して息絶える。
 これは殺戮者の悪徳である。同行しているPC5を除く、PC2から4の誰かとこのシーンで出会い、情報を交換しても良い。また、知覚判定など適切な判定に成功すると、転がる死体には子供の姿だけがないことに気がつく。


シーン2
 PC3がクラウスに調査の途中経過を報告するため家を訪れると、肩に鳥(ハゲタカ)を乗せ、深くフードを被った小柄な人影とすれ違う。瞬間、強烈な血の匂いがする。自宅へ入るとクラウスはすでに事切れている。
 これは悪徳である。しかし彼は殺される前に、殺戮者を作り出した錬金術師の情報の手がかりをメモにして残している。


シーン3
 クラウスのメモ、あるいは領主に錬金術師の情報を確認することで、錬金術師の研究所があった場所を探すことができる。
 もし、このシナリオを単発シナリオとして遊ぶなら、その場所には、とうに亡くなった錬金術師の遺体がある。傍には傅くようにハゲタカが止まっている。研究のメモや日記が残されているが、自分を追放した領主への恨み言や、出来損ないの被造物への罵詈雑言が延々と書き連ねられている(ただし殺戮者自身は文字が読めないのでわかっていない)。
 キャンペーンとして遊ぶのであれば、ここに錬金術師の遺体はない。ただしメモや日記は残されている。
 知覚判定などの適切な判定に成功すると、地下室への階段が隠されていることに気がつく。また別の判定でメモから手掛かりを探すと、錬金術師は子供を浚い、それを材料にクレアータを生み出し、傭兵としてブレダのガイリング王に売り込むのが目的であったことがわかる。そして、クレアータの作成には、最終段階で刻まれし者が材料として必要であると書かれている。


シーン4
 地下室に入ると、衰弱した子供、亡くなっている子供が何人も囚われている。このシナリオの殺戮者は錬金術師の被造物であり、創造主が命じたとおり子供達を浚い、ここへと連れてきている。しかしクレアータである彼には、既にその研究を受け継ぐ者はここにいないことが認識できていない。また、実験材料として連れてきた子供たちを世話するという概念もないため、このような状況になっている。
 これは殺戮者の悪徳である。生き残った子供に話を聞けば、殺戮者が少年の姿をしていること、仕上げとして最後の材料を探しにどこかへ出かけたことが聞き出せる。


シーン5
 PC達が順当に手掛かりを集めていれば「殺戮者が、刻まれし者である領主の娘を生贄に捧げようとするのではないか」と思い至るだろう。もし、それに思い至らないようであれば、GMからそれとなく「領主に途中報告をした方が良いのではないか」と示唆してもいい。


 以下は任意のシーンである。


シーン6
 領主に錬金術師に心当たりがないかと聞くか、あるいは城下で事情通判定に成功すると、「かつて城下に錬金術師が住んでいたが、非人道的な実験を行おうとしたために追放された」という情報が手に入る。またその錬金術師が住んでいた場所も判明する。


シーン7
 PC2がリトルローズ・シャロンに領地の様子と錬金術師の話を改めて聞くか、事情通判定に成功すると、錬金術師の作品であり忠実な従僕であるクレアータが傍らにいたことがわかる。また、錬金術師の賞金しか確認していなかった場合、ここでクレアータにも賞金がかかっていることを教えてくれる。


 対決ステージ以降は明日以降に。

ブレイドオブアルカナのシナリオの話(7)


 殺戮者は自らのアルカナに従って、3発の奇跡を持つ。前述の殺戮者でいえば、クレアータの「戦鬼」、イグニスの「天の火」、エルスの「心友」だ。ここまではPCと同じだが、さらに殺戮者は自分以外の刻まれし者から奪った聖痕の分の奇跡を持つ。

殺戮者にどんな聖痕を持たせるか?

 では、どんな奇跡を持たせるのが適切か。まずは、殺戮者の攻撃方法に見合った奇跡だ。白兵攻撃ならアルドールの「絶対攻撃」、射撃攻撃ならイグニスの「天の火」。魔法攻撃ならエフェクトスの「大破壊」である。これはルナの「不可知」(リアクション不可)とレクスの「制裁」(判定をクリティカルにする)を合わせた効果に等しく、殺戮者にとってはいわば必殺技だ。PCが対抗で奇跡を使われない限り、回避されることなく命中させることができる。これにグラディウスの「死神の手」を乗せればプレイヤーに殺戮者の強大さを感じてもらえるだろう(ただし、必ず単体攻撃になる)。
 注意すべき点として、作成直後のPCを対象にしたシナリオの場合、PC達が使用できる打ち消し系の奇跡の数よりも多く「死神の手」を持たせた場合、それは「PCを殺します」と言っているのと同義である。10D10のダメージは、通常のPCは奇跡なしでは防ぐことができない。
 また、PC達の奇跡を防ぐためにアングルスの「天真」、アダマスの「絶対防御」などを持たせるのも良いが、あまり多く持たせすぎるのは望ましくない。打ち消し系の奇跡をたくさん持たせるのは、加減を誤ってPCを死なせることもなく、また殺戮者もあっさりと殺されることがないという意味で安全牌のように見える。しかし、プレイヤーからみると、自分たちの切り札である奇跡を片っ端から無効化されるのは、見せ場を奪われているのと同じである。無効化するぐらいであれば、一般特技の苦痛耐性を持たせて、高いヒットポイントを徐々に削った方が、やっていることを無駄にされる無力感はない。
 ただし、殺戮者を倒した後に起こる聖痕の解放のことを考えると、苦痛耐性ではDPは1ポイントも回復しない点は注意である。

奇跡「拡大」の注意点

 また、奇跡の中で特に取り扱い注意となるのがアクシスの「拡大」だ。アクションの対象範囲を広げる奇跡である。
 同じFEARのトーキョーN◎VAの「神業」の場合、神業同士は必ず一対一対応であり、どのような神業もそれを打ち消すには別の神業一発で済む。ところがブレカナは違う。同一のエンゲージ、つまり範囲内にPCが4人いて、殺戮者が「制裁」を使った攻撃を「拡大」で広げたとする。「拡大」を「天真」で打ち消す場合には奇跡一発で済むが、攻撃を受けたのちに「再生」で復活させる、あるいは「絶対防御」で防御するなどで防ごうとした場合、一人しか助からない。
 つまり、「拡大」という奇跡一発に対して、それを打ち消すのに必要な奇跡が一発で済まない場合がある。よって、殺戮者が「拡大」を複数持っていたりすると、PC達が持つ奇跡の組み合わせによっては、全滅が不可避になってしまう。
 この拡大という奇跡のさらに厄介なところは、ある種の非対称性があることだ。殺戮者側は徒党を組んで出てくることがあまりなく、仮に取り巻きを全滅させられても、戦闘力という意味ではそれほど痛くない。よって、拡大という奇跡をPC側が持っていても、それほど有効に扱えない。それに対し、PC側はほぼ複数おり、しかもアダマスの防御特技を活かすために近くに集まっていたりすることが多く、「拡大」の効果が致命的な結果を及ぼしてしまうことがある。
 非対称性という意味でいうと、ウェントスの「転移」なども、PC側が持つと自分が攻撃を受けた時にしか有効にならないのに、殺戮者側が持つと、攻撃を受けるのはほぼ殺戮者自身なので非常に有効に扱うことができるなどという差もあったりする。

殺戮者にいくつの聖痕を持たせるか?

 殺戮者には一体いくつの追加奇跡を持たせるべきなのか。ロールアンドロールのサンプルシナリオを見ると、PC3人で+6、PC4人で+8、PC5人で+10となっている。PC1人に対して追加分の奇跡が2発だ。殺戮者自身の奇跡と合わせると、PC3人だと9、4人で11、5人で13ということになる。
 とはいえ、前述のとおり、奇跡についてはいくつ出せるかというだけではなく、何を持たせるかによってもプレイヤーにとってどれだけ脅威になるかが変わってくるので、必ずしも数だけでは語れない。PC達を「うっかり全滅」させないためには、「死神の手」と「拡大」は持たせすぎないこと、「死神の手」の数はPC達の持つ打ち消し系奇跡の最大数より少なくしておくべきだろう。

ブレイドオブアルカナのシナリオの話(6)


 前回の続きである。
 「殺戮者を作成できれば、シナリオ作成の大半が終わる」と書いたが、アルカナを決定しただけで殺戮者の作成が終わるわけではない。前回のエントリで、セッションの前々日なら、と書いた理由がそれである。殺戮者の作成はPCの作成とほぼ同じ流れであるため、PC1人を作成するのとほぼ同じ時間がかかる。仮にカード4枚からアイデアを得たとして、それで作れるのは骨格だけで、その後のデータ部分については作成する必要がある。
 殺戮者の作成方法はPCの作成とほぼ同じだが、異なる部分もある。殺戮者はPCと違い、展開ステージで特技を使用しない。そのため、最低限必要なのは悪徳シーンの演出と、対決ステージでPCと戦うための戦闘能力である。

悪徳シーンの作成

 展開ステージでは、どのように悪徳シーンを演出するかについては決めておく必要がある。しかし、これには殺戮者自身のデータの裏付けは必要ではない。あくまでも、殺戮者がどんな人物なのかというのを表していれば良い。
 先日作成した殺戮者で考えてみよう。現在のアルカナから推測すると、この殺戮者は射手である。よって人々が矢襖にされて殺されているシーンがあれば、それで悪徳シーンになる。無差別の殺戮シーンでも良いし、特定の人間を暗殺するというシーンでも良いだろう。
 ここで悪徳シーンの演出について留意しなければならないことが一つある。それは、どのような悪徳の演出であったとしても、「事態が終わる前」のシーンを演出するのは望ましくないということだ。
 悪徳は悪徳であって、未然に防止されてしまうとそれは悪徳ではなくなる。つまり「PCの手の届かないところで事態は終わっている」という演出でないと、プレイヤーとしては目の前で事態が進行しているのに手を出すことができないことになり、フラストレーションがたまる。PCの行動によってシナリオの展開が変わるというのは別に構わないが、悪徳シーンでそれを行うのはよくよく注意が必要である。

殺戮者の戦闘能力

 殺戮者の戦闘能力について、最初に決定しなければならないのは「殺戮者がどのような手段でPCを攻撃するか」である。ブレイド・オブ・アルカナだと、大きく分けて「白兵攻撃」「射撃攻撃」「魔法攻撃」の3種類に分かれる。
 これは、殺戮者が持つ現在・過去・未来のアルカナによってどれが得意かが変わる。ゲームに慣れないうちは、1人の殺戮者が複数の攻撃手段を持つのはやめておいた方がいい。このゲームでは、3種類の攻撃によってそれぞれ有効な特技も奇跡も異なるためだ。
 アルカナによって、装備と特技が決定される。装備を先に選び、それに従った特技を選んでもいいし、最初に特技を選んで、それに見合った装備を持たせても良い。この時、一風変わった武器を持たせたりすると、インパクトのある殺戮者を演出することができる。
 殺戮者のメインとなる攻撃手段が決まったら、それを扱う技能を習得し、対応する追加ダメージを与える特技などを習得していく。PCの作成と異なる点は、殺戮者は基本的に特技の代償、DPの減少を気にかける必要がない点である。
 また、特技の習得にあたって、せっかく3つのアルカナがあるのだからとそれぞれのアルカナから特技を取りたい気分になるが、今回のように最初のアルカナの組み合わせをランダムで決めたりした場合、それぞれの技能が噛み合う可能性は低いだろう。意図的に相性のいいアルカナを選択している場合、例えばアダマス・アルドール・ディアボルスとか、グラディウス・ルナ・フィニスなどのように相乗効果のあるアルカナを選択した場合を除いては、あまり気にする必要はなく、1つのアルカナから集中して特技を取ってしまって良いと思う。

ブレイドオブアルカナのシナリオの話(5)


 間が空いてしまったが、ブレイド・オブ・アルカナのシナリオ作成についてのエントリが中途半端なところで終わってしまっていたので、続きを書く。
 まずブレイド・オブ・アルカナは「特定のシナリオの作り方をするGMと、非常に相性のいいシステム」である。
 これまでTRPGをやってきて色々なGMに出会ったことがあるが、そのシナリオの作り方はいくつかのパターンに分かれると思っている。

EX.キャンペーンの2話目以降

 まずは特殊な例から。それは「キャンペーンの2話目以降」というシナリオだ。特に何話も続くロングキャンペーンの続きだと、GMの頭の中に新しいアイデアがほとんどなくても、前のシナリオの設定の続きを考えることで、必然的にシナリオができていくことがある。例えば、無印天羅などはそれが顕著なゲームである。
 もちろん天羅に限らずとも、連続キャンペーンであれば、例えばライバルキャラが出てきたり、依頼人の家族が出てきたり、敵の組織が出てきたりと、特に意識していなくても既存の設定が伏線となり、それらを使ってシナリオを作ることができるので、単発のシナリオやキャンペーンの1話目を作るよりはハードルは低いことが多い。
 なので、これから述べる事項は、基本的にはキャンペーンの第1話、あるいは単発シナリオの作り方ということになる。

1.再現したいシーンから着想するシナリオ

 1つ目は、再現したいシーンや物語の核となる部分から着想するシナリオだ。例えば、シナリオヒロインと街外れの橋の上で涙の別れをするシーンが頭の中にあって、このシーンに行き着くために逆算してシナリオを作っていくというやり方だ。
 中村やにおさんのサイトで「記憶喪失のハイランダーが、サンタの格好をして袋を持って倒れている」ところから始まるシナリオの紹介をしていたけれども、これもシーンから着想しているタイプだと思う。

2.使ってみたいルールから着想するシナリオ

 次に、システムから着想するパターンだ。トーキョーN◎VAで、カゲの「無面目」という特殊技能を使うゲストを出したい、というアイデアからシナリオを組んだり、ダンジョンズ&ドラゴンズでいえば、幻術を使う魚のモンスターである「アボレス」という敵を出したい、というアイデアから状況を逆算して組んでいったり、などだ。

3.登場させたいNPCから着想するシナリオ

 そして、最後に紹介するパターン。それが「シナリオ中に登場させるNPCブレカナなら殺戮者)からシナリオを作っていくタイプである。話の筋や個々のシーンを作るより前に「どのようなNPCを登場させるか」というアイデアが先にあり、それに合わせて筋立てやシナリオを作成していく。
 このシナリオ作成手法と、ブレカナというゲームは非常に相性が良い。なぜなら、セッション進行のための全てのシステムが「対決フェイズにおける殺戮者との戦闘」に収束するように作られているからだ。ブレカナは敵となる殺戮者を作成してしまえば、シナリオ作成は8割型終わっていると言っていい。

イデアが浮かばないそんな時

 例えば、もしあなたが週末にブレイドオブアルカナのセッションをやろうとしており、しかし不運にも前々日まで何の準備もできていなかったとする。そしてたまたま、やりたいシナリオのアイデアも思いつかない。
 そんな時は、ルールブックに添付されているアルカナカードを無作為に4枚引いてみる。そして1枚を残し、3枚を順番に表にしていく。
 実際に引いてみよう──クレアータ、イグニス、エルス。これが、今回のシナリオの殺戮者のアルカナだ。
 あとは、アルカナのイメージから三題噺のように物語を作っていく。過去がクレアータなので、何者かによって作られたホムンクルス、そして現在が狙撃手ということは、暴走して無辜の人々を狩る殺戮者になっているのだろう。しかもその隣には、彼もしくは彼女に味方する強力な動物がいる。それは乗騎かもしれないし、あるいは空から犠牲者たちを見定める鷹かもしれない。
 依頼主は誰だろうか。そのクレアータを作り出したデクストラ(錬金術師)が、自分の被造物が暴走したことを嘆いてPC達に依頼を持ってくるのか、あるいは逆に、この錬金術師こそがクレアータを背後から操り、殺戮を仕掛けた張本人なのかもしれない。そうなったら次のシナリオの敵はその錬金術師だ……と、アイデアを繋いでいくこともできる。
 もちろん、引いた組み合わせで何も思いつかなかった場合は、いくらでも引き直せばいい。カードはあくまでも「きっかけ」だ。
 ちなみに最後に引いたカードは何かというと、クライマックスの舞台となる場所である。今回はコロナのカード、つまり王宮や領主の館など、支配者のいる場所が、殺戮者と戦いを繰り広げることになる場所である。依頼人が領主で、彼が狙われるまさにその瞬間にPC達が駆けつけたという状況か、それとも領主が錬金術師と裏で手を組んでおり、領主の館において今回の殺戮者と対決した後、PC達は無実の罪を着せられて領地から追放され、次のシナリオへ繋がっていくなどという展開も考えられる。
 
 タロットカードを4枚引き、そこから連想を繋げるだけで、これだけのシナリオの筋書きが作れる。同じFEARのトーキョーN◎VAなどの場合には、さすがにこれだけではシナリオを作ることは難しい。敵ゲストも一人では済まないことが多いし、シナリオの筋書きなどもう少し工夫しないと形にならないのだが、ブレカナはシナリオのステロタイプがあらかじめかっちりと定められているため、殺戮者のアイデアさえ出してしまえば、シナリオ作成の大半がカバーできてしまう。
 もちろん、例で引いたこの4枚のカードのアイデアもストレートに使わず、このイグニスの殺戮者は最初姿を隠しており、別の人間が殺戮者だとPCたちが疑うように仕向けたり、あるいは全く違う事件を追っていくとたまたまこの殺戮者に行き当たるような筋書きを書いたりすることもできる。殺戮が行われる場所が町なのか、森なのか、村なのか、その辺りを考えていっても様々なバリエーションが考えられる。
 最初のアイデアさえ浮かんでしまえば、そこからアイデアにアレンジを加えるのも自由だ。殺戮者の存在はシナリオの中核であり、またシナリオの展開を考えるきっかけになる。最低限そこだけできていれば、シナリオが形になるし、そこから発展させていくこともまた自由にできる。これがブレカナのシナリオが作りやすい最大の理由である。

令和のバージル


 この動画シリーズは好きでほとんど見ているものの、パワーレンジャーには全く詳しくないので、この回だけは見逃していた。ところが、たまたま見てみたところかなり面白かった。この動画のネタはパワーレンジャーに詳しくなくてもわかる。
 一番笑ったのは「令和のバージルっていうから比喩的な意味かと思ったら……これ、バージル……(笑)」というコメント。モーションと台詞をほぼそのまま持ってくるっていうのは凄い発想だ。ギリギリオマージュっていう感じ。公式とコラボしてるんだから問題ないんだろう、うん(笑)。