NOVAは「詰め将棋」?

 今日は久しぶりにNOVAの話などを。


トーキョーNOVA The Detonation (ログイン・テーブルトークRPGシリーズ)

トーキョーNOVA The Detonation (ログイン・テーブルトークRPGシリーズ)


 ある友人が「NOVAの神業の打ち合いは詰め将棋のようだ」と話していた。これはポジティブネガティブ両方の意味がある。王手詰みの状況まで一手一手相手を追い詰めていく面白さはあるが、逆に言えば正解への道筋が少なく、自由度がないということだろう。確かに、NOVAは経験点の評価欄に「神業をうまく使った」という項目があるため、例えば私などもどうしても「神業の使いどころ」をシナリオ中に用意してしまう。しかし、シナリオ中に使いどころがあるということは「RLが想定した使用法がある」ということで、それと異なる使い方をするとシナリオが「詰む」可能性がある。
 他のゲームにそういった要素がないかというとそんなことはなく、例えばアルシャードセイヴァーのレジェンドなどは、加護「ガイア」をどう使うかGMがシナリオに織り込んでいる可能性がある(シナリオ中で落命したヒロインを救済するなど)し、アリアンロッドならGMはアコライトがプロテクションを使うことを前提とした戦闘バランスに設定するだろう*1ただ、他のゲームの場合はこのリソースのほとんどが戦闘向けのものであること、そしてリソースをどう使ったかは戦闘の結果そのものにしか影響を与えない(直接経験点などを増減しない)ことから「戦闘に勝てたならリソースが余ってもいいよね」という話になるが、NOVAの場合はリソースを余らせると「経験点が(満点に比べて)減る」ことになる。


 もちろん「R」が発売された当初はこういうルールになった理由がちゃんとあった。前に「フェイズ制とシーン制について」で遠藤卓司さんが語っておられたように、トーキョーNOVA独特のセッションを成立させるためには、シーンに登場することと同様に、最低でも1度のセッションで3回は、そのキャストらしい活躍ができる場面を用意することが「推奨」されたのだ。推奨する必要があったということは、「R」以前ではそれができていないことが多かったということだ。RLから話を振られるまで1時間地蔵だったり、記者のキャストなのに相手を撃ち殺す依頼しか来なかったり、狙撃手なのに猫探しの依頼しか来なかったり。


遠藤卓司先生、フェイズ制とシーン制について語る


 キャストにキャストらしい活躍の場を用意することが「神業をうまく使ったら」という項目が存在する理由なのだ。


 しかし、最近のFEARのゲームにシーンへの登場回数のチェック欄はない。遠藤さんはそれを「目指していたものが周知されて推奨されるべき行動ではなくなったから」と述べている。ならば、発売が予定されているNOVAの次版では、果たして「神業をうまく使った」は引き続き「推奨」されることとなるのだろうか?
 別の友人は「NOVAの次の版では神業は全て戦闘系のものに変わるかもしれない」といっていた。確かに、ナイトウォッチで追加された神業変更アイテムは、リサーチ系や非戦闘系の神業を戦闘に使えたり汎用性の高い用途に使えるようにするものだった。ただ個人的には、リサーチで使える神業がなくなるというのはちょっと寂しい気もするのだが……。


 まぁ、こうやって好き勝手に予想できるのも次版が発売されるまでの間のことなので、楽しみに待ちたいと思う。

*1:古くはD&Dの赤箱から、マジックユーザーはスリープ、クレリックはチュアライトワンズを習得せよというのも考え方は同じだ。