読んでて腹しか立ってこない

押井守監督に「TNGパトレイバー 首都決戦」ディレクターズカット公開の経緯についてインタビュー


 こいつ、この短いインタビューの中ですら支離滅裂なのな。

そういうものだからこそ、20年続いたのかなと思います。未だに続いていて、未だに売れている。だから、誰に向けて、どういう風にやったらいいんだろう、と難しさを感じていました。そうなると、パトレイバーのアニメがそうだったように、自分のやりたいようにやるしかない。自分が見たいものはみんな見たいんだと思って作るしかない。


 それでも20年間待ってたファンを裏切ったのか。P2の観客動員数と今回の観客動員数を比べてみろよ。

だから、アニメはどんどんかっこいい世界に引っぱり込まれちゃった。ロボットが毎週出てきて戦ってという熱血系に変わっていった。それは僕が監督をやめた後の話で、劇場版の監督をしたときになんとか引っ張り戻そうとしたけれど、その手間暇が大変なんだということがよくわかりました。


 耄碌して中身を忘れたのか? パトレイバーのアニメでロボットが毎週出てきて戦う熱血系の話なんてどこにあったよ。

ただ、この映画を中高生は見ないんじゃない?だって、実際に長編映画の前に7本のシリーズをやったときにもいなかったし。中高生の時にパトレイバーを見ていたという人は来るだろうけれど、今の中高生がこれを見るかというと、難しいんじゃないかな。


 中高生の時パトレイバーを見ていた人間ですらつまんなそうな作品としか思えないのに今時の中高生が見るわけねーだろアホか。

G:
先ほど押井監督が嫌いだとおっしゃった、学生生活を美化したような、自分たちの生活を描いたような映画が中高生に見られているような印象があります。

押井:
僕も少しはそういう作品を見たりしますよ。


 ぜってーウソだ(笑)。

僕は高校生だった時、そういうのを最も嫌悪していたんだけれど、今の高校生は本当にああいうのが好きなんだろうか。ダメでダメでつまんなくて、とりあえずバンドを組んでみよう、軽音部を作ってみようと頑張る映画じゃないですか。その「頑張る」というところにみんな感動するんだろうけれど、僕はそれが嫌いだから(笑)。だって、結果的に嘘をついているじゃない。そんな映画を見てないで、自分たちで始めればいいじゃないかって思います。


 ほら、やっぱりこいつ「けいおん」観てないじゃん。けいおんの劇場版観て「とりあえずバンド組んで軽音楽部作ってみようと頑張ってみる」映画だなんてこいつ以外誰も思わねーよ(笑)。
 あれは「後輩を残して去らなければならない先輩が、後輩に何が残せるのか試行錯誤する」映画だろ。ってか、あれが頑張ってるように見えるんだったら古今東西の映画を含めたほとんどの作品が視聴不可になるわ。
 だいたい、中高生が観に来る映画を作れない監督になんで今の高校生の嗜好を斟酌されにゃならんの。

だからといって、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」みたいに、明日死ぬかもしれないというのに、それでも愛だの恋だの言っている人たちの船に乗りたいかというと、絶対イヤだからね(笑)。


 そして商業的に成功した出渕氏の作品を腐すことだけは忘れない。
 悔しいんだろうなあ。ねえ、今どんな気持ち? 今どんな気持ち?(笑)

「ビリギャル」だなんだを見に行ったとしても、それはあなたの人生を何も変えないよ?とは思う。いい気持ちになるかもしれないし、泣くかもしれないけれど、明日からの学校生活を何一つ変えないよ。「あの映画、見て良かったよな」って周りの人に言うだけで、半年経ったら忘れちゃいますよ。


 けいおんの劇場版のこともストパンの劇場版のことも別に忘れてないし、むしろ「アヴァロン」のこととかすっかり忘れてたよ。自分の作品だけは忘れられないと思うのは傲慢だろ。

師匠も言ってたよ、「憧れの世界を描くのがお前の仕事だ」と。「言いたいことは1つだけ言え、2つも3つも言うな。人の金でやっている仕事なんだから、自分がやりたいことを全部並べて勝手なことをやるな」とさんざん言われた。「でも、1つはためになりそうなことを考えて入れておけ」と。あとは、要するに憧れの世界を描くんだ、若い人のために、ということです。


 師匠の言ったことぜんぜん守ってねーじゃねーか!(笑)

師匠には繰り返し、「お前は作家でもなければ、なんでもないんだよ。商業映画の監督になるなら、とにかく、お金をもらって喜んでもらえる映画を作れ。勝手な映画を作るな」と言われた。勝手な映画というのは、僕がやろうとしていたことで、やっちゃったこと……で、実際に酷い目に遭った映画のこと(笑)。要するに「能書きの映画」ですよ。作るたびに怒られた。たぶん、この映画を師匠が見たら、きっと褒めてくれたんじゃないかって思っています。


 いや、知らんけど師匠はたぶん激怒するだろ。こんだけ能書きたれて観客怒らせる勝手な映画作っておいて何言ってんだおめー(笑)。

G:
最後の質問です。映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の公開当時、「風の谷のナウシカ」の宮崎駿監督との対談で、宮崎監督が「テレビアニメーションが氾濫しすぎている」と指摘し、当時テレビアニメをバリバリ手がけていた押井監督はその一端を担っている旨のコメントをなさっていました。現在、1週間に50本近いアニメが放送されているという状態は、この時指摘された状態よりもさらに氾濫がひどくなっているのではないかと思いますが、「うる星やつら」の制作に懲りてテレビアニメから離れたという押井監督の目から見て、何か現状に対して言うこと、あるいは伝えておきたいことはありますか?

押井:
いやー……ぜんぜん見てないから(笑)、わからないね。


 やっぱり観てないんじゃねーか!!!(笑)

 前にガルパンについてもなにやらコメントしてたけど、やっぱ見てないんだろうな。自分でこう言ってんだから。

うーん、「魔法少女まどか☆マギカ」ぐらいかな……見に行ったわけではなく、テレビでやっているのを見たけれど、がんばっているな、面白いなと思った。でも別に「すいません」という感じじゃないし……うん、「頑張っているな」という感じです。


 これ、押井にしてみりゃ最大級の賛辞だよな。
 まぁ、もはやほとんどのクリエイターにとっては彼の賛辞そのものが無意味だとは思うけども。

そもそも、64歳にもなると興味のないことはわからないですよ。それこそ、テレビアニメって一番遠い世界かもしれない。だから、この点については「もうあなた、アニメの人間じゃないですよ」と言うスタジオの連中が正しいのかもしれない。


 スタジオの連中にも「ジジイ引退しろ」って思われてるってことじゃないのか(笑)。