死んだ世界戦線(SSS)はガンマニア?

 まず、簡単にSSSメンバーの使用銃について触れてみる。

 リーダー、ゆりっぺの銃は「ベレッタM92FS・ブリガディア・イノックス」。ポスターのイラストを見てベレッタだろうなとは思ったが、ブリガディア・イノックスというカスタムの存在は知らなかった。これは米軍の制式拳銃として有名な拳銃ベレッタM92のカスタムの一つで、米軍特殊部隊のネイビー・シールズが射撃中、スライドが千切れ飛んで射手に当たるという事故が起こったためスライドを強化したもの。強装弾と呼ばれる火薬を増量した特殊弾を撃つのに対応したモデルである。
 ということはゆりっぺは強装弾を撃っているのか? という疑問がわくが詳細は不明(理由は後述する)。

 主人公音無の銃はグロック17。この作品に登場する銃の中では比較的メジャーな銃だといえる。

 TKが持っているのがLARグリズリーブローニング・ハイパワー。9mm弾を使う上記の銃とは違い、グリズリーは45口径の銃だ。「コルト・ガバメント」系統の銃である。ブローニングは9mmだが。

 高松の銃はデザートイーグル。44口径マグナム弾を使用し、「最強の自動拳銃」と呼ばれることもある、威力の高いことで有名な銃だ。

 日向が使うのはスミス&ウェッソンのM645ステンレスモデル。銃弾は45ACP。商業的には失敗した銃と言われることもある(そのためか、リンク先のウィキペディアにも該当する銃の記載はない)。

 大山の銃はシグ・ザウエルP226Rネイビー・シールズが上記の事故からベレッタを使うのをやめてこの銃を使うようになったことからわかるように、信頼度は高いが(入札価格が)高価だったため、米軍の制式銃になれなかった、らしい。

 他にもヘッケラー・コッホP7や、バラライカの姉御が使っていたため急に有名になったスチェッキン・マシンピストルなどが登場している。
 

 拳銃だけでこれだけあるのだ! SSSには制式拳銃という概念がないのだろうか?(ちなみに銃弾の種類もバラバラでほとんど互換性はない)
 他にもサブマシンガンが3種類、アサルトライフルが5種類、ライトマシンガンが2種類、スナイパーライフルが5種類、ロケットランチャーが1種類確認できる。というより、同じ銃が複数登場するのが二丁拳銃するシーンくらいしかない。

 これらの銃器を用意したのは誰か? エンジェルビーツ・ゼロによれば、元々は戦線の武器を用意するギルドのリーダー、チャーという人物だったのはないかと思われる(ゆりに戦い方を教えていたりしたらしい。私はゼロを読んでいないので確認しようがないが……)。生前の記憶を元に土から装備品を作っているという。つまりこれらの銃器を用意した人物はこれらの銃器を記憶していたことになる。
 これだけ多彩な銃器を用意することに、はたして意味はあったのか? 戦線メンバーの戦い方を見る限り、恐らく意味はない。というかギルドの武器製作者の単なる趣味だったのではないだろうか。