時代遅れのレクイエム


 久しぶりに秋葉原に出かけた。ここ半年くらい行っていなかった気がする。今年はコミケの後ですら行かなかったからな……。
 聖地に赴いた理由は一つ。ついに恐れていたことが起きたからだ──ポータブルMDプレイヤーが壊れたのである。

 元々自宅で使うコンポなどと違って、ポータブルMDプレイヤーは常に携帯している関係で、何かにぶつけたり振動を受けたり過酷な環境にさらされているから心配してはいたのだが、ここでついにTOC Read画面のままうんともすんとも言わなくなってしまった。とはいえ、既に量販店などから新品のポータブルMDプレイヤーが姿を消していることは確認している(一応付け加えておくと、近所の量販店が模様替えする前、3か月前にはまだあったのだが)。
 そこで、秋葉原に中古のプレイヤーがないかどうか探しに出かけたのである。もちろん、いいプレイヤーがあれば買おうと思ってはいたけれど、目当てのプレイヤーの有無よりも、知りたかったのはむしろ「ポータブルMDプレイヤーというものが中古市場にどれくらい残っているのか」についてだった。

 そして、半日ほどぐるぐる廻ってみた感想。
 ──思ったよりも、残っていない。全くないとまでは言わないが、選ぶ余地があるほどには残っていないという印象だった。あと、メディアを扱う店での扱いもかなり小さくなっている(近所のセブンイレブンで扱っているのがウソのようだ)。

 やはり、時代ではないということなのだろうか。

 仕方なくソニーのソリッドオーディオを買ってみたものの、非常に使いづらい。この機種がダメだということではなくて、体がMDプレイヤーに慣れてしまっているせいだろう。そのソリッドオーディオは、私がどうしても妥協できない条件をつけて探したところ、目ぼしいものがそれしかなかった機種なので、他に買い替える気も起きない……。
 ちなみにその条件とは「PCを介さずオーディオデッキから直接録音できる機能(ダイレクトレコーディング)がある」ことだ。