ガールズ&パンツァー リトルアーミー (2) (MFコミックス アライブシリーズ)
- 作者: 槌居,ガールズ&パンツァー製作委員会,協力:鈴木貴昭,協力:グラフィニカ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2013/02/23
- メディア: コミック
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こちらは2巻で完結である。
(以下、軽微ではないネタバレあり)
この結末はどう解釈するかが結構難しい。はっきり言ってしまうと、まほが西住流を継ぎ、みほが「西住流ではない自分の戦車道を見つけよう」と決意するところで終わるのだが──。
現在進行形のテレビシリーズでみぽりんがこの心境に至るというなら非常にわかるんだけど、このリトルアーミー編は彼女の小学生時代の話。つまり、決意したにも関わらずみほは黒森峰に進学し、あの事件が起きて転校するって展開になるわけだ。作中でもそのことには触れられてて「それでもまほと戦車に乗りたかったから黒森峰に進学した」と、みほ自身のモノローグで語られている。
でも、それならあの事件が元で姉の元を離れ、大洗女子に転校して「戦車道をやめる」という選択はおかしくないか? むしろ、戦車道のある別の学校に進学して、西住流とは違う戦車道を体験しようとするのが自然だと思うんだけど。リトルアーミーのエピソードでも、西住流に疑問を抱いて戦車道をやめようとするみほを友人たちが必死に慰留するシーンがあるんだけど、その説得が全部無駄だったってことになりかねない。
見方を変えると、この時のやり取りがあった(あるいは思い出した)からこそ、1話の生徒会室のシーンでみほはあっさり翻意したのだ、という解釈もできなくはないが(あのシーンの心変わりはかなり唐突なようにも感じられるから)。
ただ、いずれにしろ「いろいろな戦車道を見て自分の戦車道を見つける」というリトルアーミーでのみほの決意は、結局自分一人だけでは達成することはできず、きっかけを作った大洗女子学園の生徒会やあんこうチームの皆がいなければ現実にはならなかったのだ、と考えると「戦車道は一人でやるものではない、仲間と作るものだ」という、リトルアーミーのテーマにも合致する話ではあるんだけども(もし会長がみほを担ぎ上げようとしなかったら、みほは逃げっぱなしで終了だったわけだし)。
それにしても、リトルアーミーで語られるまほの過去エピソードはみほの黒森峰エピソードに輪を掛けてヒドい(笑)。
「黒森峰チームの戦車が崖から落ちそうになってたのを、危険だからと敵チームのフラッグ戦車が思わず救援に行こうとしたのを、まほが容赦なく撃破して大会優勝」とか……。
川から落ちそうになったり崖から落ちそうになったり、そもそも黒森峰チームは危機管理がなってないんじゃないかとか、西住流はただの外道流なんじゃないかとか(笑)。そりゃそんな話聞かされてたら、川に落ちた自軍チームの戦車助けに行っても無理ないと思うわ。
しかしこれ、エミと瞳はそのうちゲストキャラで登場してもおかしくない気がするな。戦車道続けてるし。