これはテストです

 先日、FF14の吉田Pが説明責任を果たしていることについて賞賛したので、今日は批判的な視点からコメントすることにする。


【FF14】「新生βテストフェーズ1」3回目開始するも相変わらず人多すぎで一時停止


 もし「MMORPGのスタート時にはログイン障害がつきもの」「ログインサーバの負荷をテストするのもベータテストの重要な役割」といって擁護する人がいたら、それは誤解だと思う。なぜならFF14はまだサービスインしたわけでもなければ、オープンベータテストをしているわけでもないからだ。
 クローズドベータテストの利点は、接続人数を絞ることで、限られた人数下の環境においてプログラムが正常に動作するかどうか確かめられることだ。その段階でサーバが過負荷でログイン障害を起こしてしまうようでは、ログイン部分「以外」の本来テストしなければならない部分がテストできなくなってしまう。実際、吉田Pはインタビューで「ベータテストではマーケットとサーチ系の負荷テストをする」といっているのだが、ログインすらできなければマーケットもサーチも何もない。


「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

 
 FF11運営スタッフの伊藤氏のようにサービス精神が全然ないのもどうかと思うけど、吉田Pはどうもサービス精神が旺盛すぎるんじゃないかと思う。要するに、クローズドベータなのにベータのプレイ権を配りすぎたのではないだろうか。
 またこの同じインタビューの中で、彼はオープンベータをやらないとも取れる言い方をしている。代わりに言及しているのが「アーリーアクセス」だ。オープンベータとアーリーアクセスは、正式サービス前にプレイできるという点では同じだが、意味合いはまったく違う。オープンベータのプレイヤーは「テスター」だが、アーリーアクセスのプレイヤーは正式サービスのれっきとした顧客だからだ。極論してしまえば、オープンベータにバグがあるのは不具合ではないが、アーリーアクセスにバグがあるのは不具合となる。

βテストではもうとにかくフィードバックを全部直すつもりでやります。2年前、あれだけ何も聞き入れずサービスを強行したので、極端な例ですが、今回は「全部直す気かよ、いつ出すんだよ」っていわれるくらいβテストをやりたい。ユーザーの皆さんに「もういいってって、もうこれ以上フィードバックするの止めようぜ」っていわれるくらいまで、やってもいいかなって思っています(笑)。


 と、ここまで言うのであれば、ユーザーの数を増やしすぎる必要はなかった。正式サービスがスタートしていない以上、正規の顧客ではない。彼らに「サービス」などする必要など微塵もないし、それは承知でログインしているはずだ。最終的にプレイヤーの数を増やすにしても、もっと段階的に増やしてもよかったはずだ。半端にテストをしてフィードバックが十分に行われない、つまり2年前の再来こそ、最も恐れるべき事態である。


 ちなみに私自身はオープンだろうがクローズドだろうが触るつもりは一切ない。旧“根性版”FF14であれだけこっぴどく裏切られ、もう一度親身になってフィードバックする気はまるで起きない。スタートダッシュするつもりもない。FF14がスタートダッシュしなければ楽しめないMMORPGだというのなら、そこで見限るだけのこと。*1むしろ一歩引いたところから、スタッフのお手並みを拝見させてもらおうと思っている。──そして、そんな人間の数は決して少なくないのではなかろうか。

*1:私はFF11も初日からはプレイしていない。