このマシンを実用で使ってた人初めて見た(汗)

シャープ「MURAMASA PC-CV50F」〜暗黒時代を生き抜いたEfficeon搭載小型モバイル

 これまでコラムで何度か述べてきたが、2000年前後はミニノートにとっての黄金期だった。メーカーと機種の選択肢が多く、自由に選べた。東芝の「Libretto」から始まり、日本ビクターの「InterLink XP」、ソニーの「バイオU」、カシオの「CASSIOPEIA FIVA」、富士通の「LOOX S」……など、10型以下のノートが目白押しだった。
 しかしその黄金期も、2003年辺りを境目に陰りが出てきた。小型Windowsモバイルの走りであったLibrettoは、2002年の「L5」を最後にリリースされなくなった。バイオUはCrusoeからCeleron 600Aに変わった「バイオU101」がリリースされたが、それ以降のモデルはキーボードがなくなっている。CASSIOPEIA FIVAは2001年暮れに終息。LOOX Sも2003年半ばで最終モデルを迎える(以降、光学ドライブ搭載の「T」だけがCrusoeからCentrinoに代わり生き残った)。


 確かにあの時代は暗黒時代だった記憶がある(もちろん今の方が遥かに酷いが……)。Sony以外のメーカーはほとんどこの時期に撤退したんじゃないだろうか。
 ただ、それでもこのマシンには手を出さなかった。その理由は……。

 天板および底面の中央部はフラットで、エッジにかけてなめらかなカーブを描く。しかしディスプレイ側のエッジは非常に薄いが、中央部にかけて膨らんでいるため、ぽっちゃりとした印象を受ける。加えて、キーボードやディスプレイの枠も大きめに取られており、ややもったいない気がする。この辺りは分解のパートでも詳しく見ていきたい。
 細かいところを挙げると、キーボード側は中央にかけて凹んでおり、一方液晶側は膨らんでいる。ワンダーピクスの液晶モジュールがよほど厚いのだろうか。パームレストが凹んでいるおかげで、キーピッチが狭く、元から打ちにくいキーボードの使いにくさに拍車をかける原因ともなっている。


 いや、これ細かいところじゃないと思う。というか、店頭で一目見て「パームレストが凹んでいる」という時点で「こりゃ打ちにくそうだ」という感想しか浮かばなかった。本当、その点は一目見るだけでわかるから、あれで避けたモバイラーは多いんじゃないだろうか。想像しにくいという人は、深めの大皿か洗面器にノートPCを置いてキーボードを打つことを想像してもらえればわかりやすいかも。
 まぁ、前にも書いたけど、元々私はFF11認定マークをつけてたMP50が惨憺たる出来だったので、エフィシオンにもクルーソーにももう手を出すつもりはなかったのだけど。